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円が上手く描けない

キャンドルの炎が
急に踊り出すのには
何かしらの
理由があるんだろうか

微かに黒煙を吐きながら
何かを訴えているのかも知れない

けれど
あたしには届かない

あたしの伸ばした手も
きみには届かない

でも
伸ばされた手は
すぐ背後に

なんて悪循環

スライドさせて
絵を完成させるパズル

あれ
何て言うパズルだっけ

あたしの人生は
延々とそのパズルで
遊び続けているみたい


.........ennui

吸収したくなる日光

天気が良い日は
目覚めが良い

起きる瞬間
今日の天気なんて
知らないのに
脳は分かっているらしい

甲州街道は
今日も尋常ではない
賑わい

この密な人々の中で
今日の始まりを
今週の始まりを
心から楽しみに待っているのは
何割くらいだろうか

あたしは
月曜日を
楽しみな曜日にしたい

これを
一生の目標にしてみようかと
ヒールを鳴らしながら
今思い付いた

陽の光に包まれたい

一時期は
瞳にも写したくなかった人

それでも
今のあたしの腕や
脳の中の言葉たちを
育ててくれて
認めてくれた人

服づくりを
今まで以上に
すきにさせてくれた人

努力すれば夢は叶う

そんなありきたりな言葉
分かりきってる事実なのに
不覚にも
視界が歪んだ

途中まで上った階段
もう一度
一番下から
一段一段に集中して
上り直そう

タイムリミットまでに
屋上に
上りきるんだ

.........ennui

静寂が破られたとき

不穏な空気は
吸いたくない

不穏な音は
聞きたくない

ドライヤーの風が
永遠にこの耳を
塞ぐことを願ったけれど
心なしか
髪は昨日より早く乾いた

夢と
現実と
理解

この三角形を
正三角形に整える法則は
きっと
何処にも
見付からない

膜の内側を
100%公開出来たら
いいのに

言葉になるのなんて
ほんの一部だって
知っている筈なのに
人はどうして
人が分からなくなるんだろう

切なくも愛しい儚さ

満開の桜より
散り始めた桜の
情景がすき

1年中春だったらいいのに

秋になると
1年中秋だったらいいのに
と思う

つまり
春と秋がすきってこと

去年の春
もう会えなくなるんだね
と思った
桜の木

その桜の木の下を
風に吹かれる花弁と共に
また今年も歩いてる

劣等感と罪悪感は
消えないけど
だからこそ
心臓の奥底には
確かに
揺れ動かない
何かが

.........ennui