従業員シェアと産業雇用安定助成金(新設) | 大阪府高槻の社労士 天野勉|天野社会保険労務士事務所
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従業員シェアと産業雇用安定助成金(新設)

こんにちは。

社労士の天野です。

 

昨年から「従業員シェア」という言葉を耳にするようになりました。

そして、2021年に入り、いよいよ本格的に従業員シェアが進んでいきそうな

雰囲気が出てきましたので、今回は従業員シェアについて触れたいと思います。

 

○従業員シェアとは
「従業員シェア」とは、コロナ禍の影響などの一時的な経済停滞によって人材に
余剰が生じた企業が、人手が必要な企業に自社の従業員を在籍型出向という形で
送り出し、人材を「シェア」することをいいます。

従業員の雇用の維持に課題を抱える企業と、一時的に人手不足に陥っている企業が
協業して労働力をシェアすることにより、送り出す側は賃金支払いの負担を軽減
させることができ、受け入れる側は継続雇用のリスクなく人材を確保できるという
メリットがあります。

最近では、大手企業間での従業員シェアがニュースになっているほか、
食品デリバリー企業でも積極的に活用されているようです。


○在籍型出向とは
まず、出向とは労働者が出向元企業と何らかの関係を保ちながら、出向先企業と
新たな雇用契約関係を結び、一定期間継続して勤務することをいいます。
このうち「在籍型出向」は、出向元企業と出向先企業との間の出向契約によって、
労働者が出向元企業と出向先企業の両方と雇用契約を結ぶものをいいます。


厚労省は、コロナ禍の影響を強く受けている業種の雇用維持の手段として、
この在籍型出向を積極的に進めていきたい考えです。
そのため、2021年度に在籍型出向を行う企業にその費用等を補助する
「産業雇用安定助成金」を新設します。
https://www.mhlw.go.jp/content/000733293.pdf

○産業雇用安定助成金の特徴
この助成金は、出向元、出向先の双方に支給されるという特徴を持ちます。
また、支給率が中小企業の場合、9/10となるため、雇調金の特例措置が
終了した後の雇用維持の切り札となります。
(雇調金の支給率は、2/3に戻る見込み)

いざ出向を行おうと思うと初期費用が掛かることも想定されることから、
この助成金は初期費用の助成も行います。
中長期的な視点で、雇用維持や従業員の育成を考えると、従業員シェアという
手法は大きな意味を持つかもしれません。

○人材育成の観点も
「シェア」と聞くと、少しネガティブなイメージも持たれるかもしれませんが、
他業種での勤務から学んだことを自社の業務に活かせることもあると思われます。
副業が推進される雰囲気も醸成されつつあるので、柔軟な働き方、働かせ方の
1つとして検討してみてはいかがでしょうか。