美少年  小野塚カホリ | 世界の隅っこで読書するパンダ

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あらすじ:


普通の学生である「私」が出会った菊雄は、日本舞踊若松流の御曹司。女性以上の美貌と気品を備えた菊雄と倒錯的な関係になる「私」だが・・・・・。

緊縛の文豪・団鬼六の私小説『美少年』を、小野塚カホリが華麗な筆致で漫画化!!


原作: 団鬼六


おすすめ: 星星星星





団鬼六先生!

これが私小説とはっ\(゜□゜)/

すごいッスあせる



注意ネタバレ、、、っつか、妄想アリビックリマーク














菊雄の身体は男です。

でも心は女なんですもの。

男に尽くすことに喜びを覚える、古風な女なんですもの。


う~~ん。

女をいじめてわくわくする趣味は1mmもないからなーっ!

私の中に汗

(男を、なら5mmくらいあるあせる)



だから。

菊雄を縛って吊るして辱める「私」の悪友・山田も。

一緒になって彼をおもちゃにする山田の女・マリ子も。

そこに参加する「私」の女・久美子も。

ましてや彼を置いて逃げる「私」も。


ちょっとそりゃどうにも菊雄が可哀想っしょ!?
ご無体過ぎるっしょ!?

と、読んでて辛かったわけですよ。。。


どーなんでしょうか?

これ、Sっ気がある人にはたまらんのでしょうか?



私的には――

菊雄の心が満たされていて欲しかった。

と、思うです。


菊雄は「私」を愛している。

しかし彼の性癖として“M嗜好”がある。

彼は“S嗜好”を持つ山田らと望んで付き合う。

それを「私」が知るところとなる。

そこでそーゆー趣味のない「私」が菊雄から去る。


そういったお話だったらいいのかな?

どうなんだい、私?


、、、、、、、、、、、、。(熟考)


いーや、違うな。


「私」がいかんでしょ!

「私」が堕ちて来ないから、不満なんでしょ?

ねー私!?



男と付き合うなんて冗談じゃない!

と、世間体を気にしやがって。

そのくせ菊雄の美貌と才能に惚れてラブレター送ったのは、そもそも「私」の方だよ?

エロいこともしてもらっちゃってるくせに、自分は“ストレート”を笠に着て全く奉仕の心を持たずだし。

最悪なのは菊雄の女らしさを好んでるくせに、彼が女の嫉妬や執着を見せると途端に怖くなって彼を悪友に売るような真似をする、、、、。


鬼畜っしょ?それ。


自分はノーマルなんだ。

真っ当なんだ。

そう言い聞かせてる時点でもうアウトなことに気付け!!


だからねー。

剥かれて括られた菊雄の姿に魅せられてる自分を認めて、いっそ「私」も一緒に堕ちればよかったんだ。


――って方がいいのかな?

どうなんだい?私。



とまあ、いろいろ自問してみました(笑)




小野塚さんの描く菊雄、いいですねードキドキ

なるほど、確かに中原淳一さんの描く少女のムードがある。



一番好きな場面は、料亭に入った「私」と菊雄が芸者衆に囲まれるところなんですよねー。

菊雄が乞われて芸事の世界の基本を語り。

そして、芸者の唄と三味線を聴き、見かねて見本に一曲やるところ。

ここがめっちゃ好き恋の矢


彼が小さい頃からどれだけ厳しい稽古を重ねてきたかが分かる。


学生服で三味線ってのがまた萌えるし!

素敵だ(///∇//)ラブラブ



別れ話がもつれた後。。。

結局菊雄はちゃんと「私」から離れる決心をつけ、それを伝えに来たのです。

ここで終わっていたらなんと綺麗なメモリーだったでしょうね。

お互い。


しかし、そうではないからこそ鮮烈な物語なんですよねーこれ。



なんだかんだ言いましたが、結局好きです。


20代前半の美しさのまま命を絶った菊雄。

最期に「私」のことを想ったでしょうね。

そこを考えると切ない、、、。


ですが、この静かで寂しい終わりはいい。


好きです。





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