- 九月が永遠に続けば (新潮文庫)/新潮社
- ¥660
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あらすじ:
高校生の一人息子の失踪にはじまり、佐知子の周囲で次々と不幸が起こる。愛人の事故死、別れた夫・雄一郎の娘の自殺。息子の行方を必死に探すうちに見え隠れしてきた、雄一郎とその後妻の忌まわしい過去が、佐知子の恐怖を増幅する――。
人の心の底まで続く深い闇、その暗さと異様な美しさをあらわに描いて読書界を震撼させたサスペンス長編。
おすすめ: (あくまで個人的)
この本残念ですが、やっぱし万人にはおすすめできませんね、、、(>_<)
読み終わって☆をいくつ付けるか、かな~り悩みました。
だって女性には耐え難い不快な場面がいくつかありまして、、、。
しかも描写が克明なんですもの(´д`lll)
なのに何故高評価なのかというと――なんでだろ?
なんかわかんないんですけど、グイグイ読ませるんですよね。
どう考えてもハッピーエンドで終わるわけない気がするのに、先を読みたくて仕方なかったのです。
終始主人公の佐知子視点です。
なんかまた付箋付けて読んでたんですけど、合計5枚貼りまして、気付いてみるとその内3枚に走り書きがしてあります。
「オニだろ」
「いくら嫌いでも お世話になってるのに しつれいすぎ」
「この女イヤ」
※原文まま
いや~、こんなに主人公がいけ好かなかった本もめずらしいです~(;´▽`A``
佐知子の何がイヤって昔、息子・文彦が幼児の頃。
彼に対してした、意味の無い仕打ち(×2エピソード)がひどく不快。
息子の失踪に打ちひしがれる佐知子に、親身になって世話してくれる人がいました。
息子の友人の父親・服部。
彼に対する内心の悪態と、時々やらかす蛮行が不愉快。
まあ、最後の方にはやっと服部に好意的になってきてホッとしました(-。-)=3
でも好きな場面もいくつかあるんですよ~。
佐知子が若い愛人(恋人ではない)・犀田を意識するようになったきっかけ。
教習所の教官と生徒としての出会い。
ほんとにささいなこと。
でもアリだわと思いました。
も、萌えました(*v.v)。
でも、この出会い、続く関係さえも、誰かに仕組まれてるような気がして身構えて読んでました(゚_゚i)
一番好きなのは文彦ですね~
思春期特有の危うさを醸してまして、突然の失踪がサマになる青年。
別れた父・雄一郎の娘・冬子との出会いを契機に、彼の周辺は、彼の内部は、劇的に変化していきます。
彼の切なく苦しい恋。
若いからこそ、きっと初恋だからこそできる、全て投げ打つ恋。
も、萌えまする、、、(><;)
――どこまでも対照的な、母と息子の色恋です。
事件の犯人は意外な人だったです。
予想外
ラストの方で、元夫・雄一郎と電話で話す佐知子。
このときの彼女は好きですね~。
夢見るように勝手なことを言う男を、一瞬のうちに激怒し、鎮火し、切って捨てる。
胸のうちだけで。
イイね
色んなこと、丸投げで終わっちゃいるんですけど、私は嫌いじゃない終わり方です。
納得いかない方は多いと思いますが(^^ゞ
感想書き終わって、やっぱまだこの本に対して複雑な思いはするけど。
夢中にさせられた――という点は、間違いないのかな、、、。
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