パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言と連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨はいずれも利下げを示唆する内容となり、NY株式市場は「安堵」の上昇となりました。

 

NY株式市場主要3指数が上昇、S&P500は、一時史上初めて3000の大台に乗りました。

 

米10年債利回りは上昇、足下では2.06%で推移しています(債券が売られた)。

 

ドルは下落、ユーロ/ドルは1.1259ドル台、ドル/円では円高で108.20円台となっています。

 

緩やかなペースでの利下げを必要とする程度の景気減速なら、株価は金融緩和を「催促」しながら上値を追っていける状況にあるのかもしれないというのがマーケット関係者の見方のようで、これを逆に取れば、景気減速は基本的には芳しいことではないので減速速度や期間によっては株価にもネガティブに働くということになります。

 

当たり前と言えば当たり前で、株価が景気悪化を好感して上がるのは、あくまでも「現象」に過ぎないわけで、これまで「利下げ」を織り込んでの株価上昇だっただけに、実体をともなわない株価上昇はもろいものであることは気をつけなければならないことではあります。

 

今回のパウエルFRB議長によるハト派発言は、織り込んできたこと(利下げ実施)が正しかったという確認をした株価の上昇であるということで、もし今月利下げをしないとなれば急落は免れません。

 

今回の利下げに関して、米セントルイス連銀のブラード総裁は10日、今月の連邦公開市場委員会(FOMC)では米成長鈍化に対する保険として0.25ポイントの利下げが望ましいと述べ、これより大幅な利下げは不要だとの見解を示しました。

 

数字で言えば、予想にある0.5ポイントではないということです。

 

◆パウエルFRB議長議会証言はハト派色

 

下院議会証言でパウエルFRB議長は、中国との貿易戦争などのリスクを指摘したほか、力強い6月の雇用統計を受けても米金融当局の見通しは変わらなかったというもので、この発言により、今月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で政策金利を引き下げるとの市場の観測が強まったと報じています。

 

貿易問題での緊張を巡る不確実性と、世界経済の強さに対する懸念が引き続き重しとなっている...

 

パウエルFRB議長の分析です。6月のFOMC声明からは、政策金利の判断において「辛抱強くなる」との文言が削除され、そのことにより利下げへの道が開かれました。

 

議員との質疑応答で、6月の非農業部門雇用者数の伸びが市場予想を上回る力強さを示したことが金融当局の見解を変えたかと質問され、「率直な答えはノーだ」と答えました。

 

また、米中貿易協議再開の判断への影響を問われると、「建設的一歩だが不透明感は拭えない」としました。中国との貿易戦争は休戦とはなったものの、見通しには下方リスクがあることをあらためて強調したことになります。

 

利下げ期待は高まりますよね。

 

さらに、米国経済は「設備投資が目だって悪化」「世界経済の逆流が再浮上」と表現しました。

 

「見通しに対する不確実性はここ数カ月で増してきている」とし、「海外の幾つかの主要国で経済の勢いが鈍化しているようだ。そうした弱さが米経済に影響を及ぼす可能性はある。その上、通商を巡る動向や連邦債務上限、英国の欧州連合(EU)離脱など、政府が扱う多くの政策課題がなお解決されていない」と指摘しています。

 

「まだ今月FOMCまでに、米GDP発表、小売統計などもある」とも語り、未だ利下げ決定でないことも、しっかりと証言に織り込んできていますね。

 

今夜は上院で議会証言が行われます...