出演キャラ
美嶋泰雄 二十歳の学生。悪魔召喚の能力を持つ。空手を嗜む精悍な男だが、実はアニヲタロリコン。
公星 人間サイズハムスター。今回も登場します。毎回喰われ掛かっているのに、不死身ですね。
藤村千秋 二十歳の女学生。あらゆる願いを全肯定し現実に変える超能力を持つ。幼児体型ロリ娘。
里見愛 十七歳の女子高生。小柄ロリヲタメガネ娘だが外見にこだわって近寄ってくる男は嫌い。
アヴィ 二十七歳だが発育が悪いつるぺたロリ娘。錬金術を学んでいる。誠実な男性が好みらしい。
シンシア マフィアの幹部。二十歳の女性で学生みたいだが、暗殺技術所有。ルックスはモデル並み。
↑注目。女性三名がロリキャラだ。そう、俺泰雄は自他ともに知られるロリコンだ。俺は愛に飢えていた。最初は千秋一筋だったのだが、この女強過ぎる……無敵の超能力者だもの。それで愛とアヴィの二人も見つけた。突き止められたのは、どうやら三者全員乙女らしいということだった。垂涎が……
しかし、彼女らにはボディーガードがいた。アメリカ人のシンシアだ。まあ見た目は美しいが、俺の趣味ではない。って、この女も羅刹……情報局工作員? まさかな。半端でなく能力は強いが。
千秋は一途だよな。中学時恋した時雨だけ追っている。俺とだって二年の付き合いなのに。
俺は今夜七月六日の深夜零時に魔法を掛けることにした。得意の悪魔召喚術を駆使する。そう、俺は黒魔術師なのだ。しかし誤解してはいけない。俺は敬謙なクリスチャンだ。悪魔を服従させ望みのまま操れるのは、信仰厚い信者だけだ。
大学キャンパスの広い空き地に、日の沈んだ深夜魔法陣を描く。白砂で慎重に正確に、大きく。
七夕の願い、叶えさせてもらうぜ! では短冊に願いを……悪魔だれにしよう?
検索し、占星術から試した。ほう、星を味方につけられるのか。おおやけの星ね。召喚……
ここでふいに年齢性別不詳のキューキュー声がした。「呼びました? 召喚される機会が日に日に増えていますね、私も」
見れば太った人間並にでかい二足歩行のケダモノが! クマか? ずんぐりむっくりして。日本語をしゃべったが……そいつは自己紹介する。
「私は公星。ハムスターのスターです。別に織姫彦星にゆかりはありませんが。この世に愛をもたらすアーティスト活動を行っています」
「なに、おまえ愛をもたらせるのか!?」
「はい、愛こそ私の行動、存在意義の原点です。愛こそ地球を救うのです。愛のための貢献、愛のための自己犠牲、これはこの上なく尊いことです。貴方は愛を求めていますか?」
「もちろんだ!」
ここで少女の映像が虚空に浮かぶ。里見愛? 就寝前だったらしく、パジャマに着替えている。あれ? 胸がやけに大きい! ブラのサイズは……
愛ちゃんまさかEカップ? 俺はつるぺたが趣味なんだ! なにも児童園児襲うとは言っていない。成人女性で潔癖な清らかさを持った子が……
ハムは訊いてくる。「貴方に決定的に欠けているのは愛です。過酷な戦地に一人飢え渇き、よほど愛に満たされていないのですね。この子『愛』を召喚でよろしいですか?」
俺は息巻いた。「誰か一人なんて絞れない。みんなまとめて愛人にしてやる。俺のハーレムを作るのだ! するとここの四人に限らないでいいな。この日本、否全世界、女すべてを惚れさせる!」
公星は即答した。「欲に溺れていますね、そんなの、とても聞けません。その願いは却下」
「いまさら!」俺は激昂した。「仮にも神仏悪魔を制した俺に逆らうか!」
そういや、この前作ったワイン樽余っていたな。つまみは自然……俺は護身用のバタフライナイフを手にしていた。
「なんです? 私になにか」ハムは怯んでいる。
俺は構わず肉をさばきにかかった!
絶叫するハム。「ああ、人殺し~! 人でなし、それであんた人間ですか、残酷で無慈悲な死の使い! うわあぁあああああ!」
断末魔は長く掛からなかった。生き物の食の営みとはかくも厳しいものである。俺は神への仮の祭壇にそれを捧げた。ワイン樽も。努めをこなす敬虔な信者だけが聖なる魔法を操れる。後は神の血として肉として飲み食いするだけだ。
肉と酒は用意された。学園祭用倉庫から、焼き網台その他持ってこよう。後は女で酒池肉林だな。俺は千秋に連絡をとった。時雨は仕事で会えないからとの理由で、合流してくれた。すると芋づる式に、他の三名も加わった。
さっそく肉を焼き始め、グラスにワイン注ぎ乾杯する。男俺一人のハーレム宴会だ!
「泰雄ちゃん太っ腹! こんな高級ワインそうそう飲めないわよ」千秋は喜んでいる。
「美味しい! 舌に自然にとろけていく柔らかい肉」シンシアはご満悦だ。
愛も食べている。「美味しいけれど、なんの肉かしら。強いて言えばウサギに近いかもです」
アヴィは長身に似合わず痩せている。『保護者』アルバートから連絡がきた。「たまには肉食わせないといけないだろう。酒も適度に飲ませてやってくれ」とさ。俺は肉を勧めた。
愛にシンシアは互いの恋人の話題で盛り上がっている。なんだ、みんな彼氏いるのか。もっとも七夕の土曜の夜に一緒になれないとは、恋愛とは多難なものなのだな。
? ふと、一匹の黒猫が近寄って来た。野良ではないな、毛並みが良いから。俺はそいつにも焼けた肉片を冷ましてから分けてやった。
アヴィがその猫を抱っこした。黒猫は意外にも、躊躇う素振りを見せている。雄猫だが何故かな?
覚めない夜の酒の酩酊、思うのは初めての大人の恋のこと、美味しかったBBQのこと。楽しい五人の宴。星になった輝く公星、忘れないよ……
(終)
後書き 終にはむちゃんBBQ決行……すまいるまいるさん、ごめんなさい。akiruさま、亜崎愁さま、SPA-kさま、初孤羅さま、出演ありがとうございました。