サッカーの監督、どんな人が優れているの? | Sports of Japan(SOJ)
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早稲田大学公認サークル Sports of Japan(SOJ)のブログです^^



みなさんこんにちは。3年の舩木です。これが現役最後の投稿になるんでしょうか。

突然ですが、僕はちょくちょくJリーグやなでしこリーグを取材しにスタジアムへ足を運びます。

そこで最近考えていたのは、「優れた監督とはどういう性質を持っているのだろうか」ということです。結果を出せば優秀なのか、選手から信頼されていればよいのか…人それぞれ評価基準は違うと思いますが、僕がたどり着いた一応の答えはこれです。

「いかなる時も選手を守る」

テレビ観戦では試合終了直後のフラッシュインタビューでしか監督の声を聞くことができませんが、取材者の特権はおよそ10分後から始まる記者会見を始めから終わりまで聞けること、そして直接質問できることです。

試合翌朝に出る新聞などの記事には記者会見の一部が切り取られたものが載ります。クラブの公式サイトなどにも会見の要旨が掲載される場合があるものの、それはあくまで内容をまとめたものであって、意図的にカットされた可能性もあるのです。

では、「選手を守る」とはどういうことか。簡単に例を挙げるとこんな感じです。

「今日の試合は完敗でした。選手は最後まで頑張ってくれましたが、敗戦は打開策を見つけられなかった私の責任です」

お分かりいただけたでしょうか。この発言は明らかに悪い内容で負けた試合を振り返っています。そしてそれは選手のプレーがもたらした敗戦です。にもかかわらず監督は絶対に選手のせいにしません。むしろ自分に批判の矛先を向けようとしています。

日本でこれを完璧にできる監督はほんの数人しかいないでしょう。僕が知る限り、ガンバ大阪の長谷川健太監督、ヴィッセル神戸のネルシーニョ監督、鹿島アントラーズの石井正忠監督、浦和レッズのミハイロ・ペトロビッチ監督くらいです。

他の監督のみなさんももちろん素晴らしい方々ですし、このように負けを素直に認めて自分の責任だと語れる方ばかりです。しかし、小さなミスは犯します。たとえばこんな感じに。

「右サイドの運動量が落ちてしまったので○○を交代させてもう一度そこから活性化させようという意図がありました」

これはなぜ良くないのか。選手の個人名を挙げているわけではありません。ですが、ポジションを明確にすることで間接的に選手を非難しているように聞こえてしまいます。こんな感じにするとよさげに聞こえます。

「サイドの運動量が落ちてしまうと相手に押し込まれる可能性があるので、頃合いを見て交代させようと考えていた」

これなら誰も悪くありませんし、そもそも交代をあらかじめ考慮していたように聞こえます。どちらのサイドかもわかりません。もう一つ例を挙げてみます。

「右SBの裏をいいように使われてしまった。失点もそこから生まれたもので、前に出る姿勢が裏目に出てしまった」

ずいぶんこっぴどくやられたようです。しかし、これも個人が非難されているように聞こえますので、少し変えてみます。

「相手がSBの裏を使ってくることは試合前からわかっていたので選手にもトレーニングから意識させていたが、実際に始まってみて外から修正をかけることができず、結果的にバランスを崩してしまった」

こうすると監督に責任があるように聞こえます。選手は努力していたのです。それでも防げなかったということになります。

では、ある一人の選手が失点につながるミスを犯して前半途中に交代させられてしまったとしましょう。もう誰が見てもその選手が悪いとわかるくらいのミスです。かなり堪えていることでしょうね。そんな中、監督は試合後にこんな発言をします。

「○○のところでミスが出て早い時間帯に失点してしまった。その後プレーを続ける精神状態ではなかったように見えたので傷が広がらないうちに△△と交代した」

あらあら。ボロクソに言われていますね。これでは○○選手は監督からの信頼を一切感じられません。さらに落ち込んでしまうでしょう。でも僕の考えるような優れた監督ならこう言います。

「前半の早い時間帯に失点してしまったが、誰のせいというわけではなくチーム全体でかみ合わないところがあった。○○が悪かったわけではないが、~なタイプの選手が必要だと感じて△△を入れた」

これならチーム全体が低調で、相手に合わせて少し違ったタイプに変えた方が良かったというニュアンスになります。ミスをした○○だけが悪かったのではないと考えている…そう受け取れます。

優れた監督は言葉の選び方が非常にうまく、当たり障りのないことを言っているように聞こえても、よく耳を澄ませると的を射た面白いフレーズを発見できます。記者会見を聞いていても面白いですからね。

ミハイロビッチ監督は試合後、女性レポーターに飴を配ることで有名ですが、記者会見場では記者のおっさん達にも飴を配って自分の冗談で爆笑しているくらいですから。僕ら言葉分からないのに…(笑)

ここで誰がダメ監督と名前を挙げるつもりはありませんが、Jリーグに限らず、世界で結果を残している偉大な監督たちは皆、どんな時にも選手を守る傾向にあると感じます(もちろん特定の選手と関係が悪い場合は除きます)。海外の監督の記者会見などは全発言を見られる場合もあるので、ぜひ読んでみてください。

サッカーにはいろいろな楽しみ方があります。僕みたいに変なところを見るのもいいですし、純粋に熱狂を感じるだけでも楽しめます。人それぞれです。この記事を読んで「なんて馬鹿なことを言っているんだ、当然だろ」と思った方がいるかもしれません。それなら別の楽しみ方を探してください。

“コア”だろうが“ニワカ”だろうが、他人のサッカーを楽しむ気持ちを非難する人ほど愚かなことはありません。それでは皆さん、サッカー見ましょう!

※この記事に掲載されている発言は実在する人物や団体等とは一切関係ありません。