最初のきっかけは約10年前。
広告制作プロダクションをやめ、
フリーでコピーライターをしていた私、
せまりくる提出期限にあせりながら、
パソコン画面を前に頭悩ませ、書きに書く毎日でした。
ない知恵を無理やりしぼるせいで
頭と目には、いつもぎゅうううっと力が入りっぱなし。
慢性的かつ重度の肩こり、首こり。
ハイ、当たりまえです。
整体、カイロプラクティック、マッサージetc.
かなり行きましたね。
ぐいぐいと思いきり押してもらっても、
その刺激は、いわば山の向こうで鳴る太鼓のよう。
ほんのり聴こえはすれど芯には響かない。
そんな、ハガネのごときコリに加えて、
厄介なのは、「頭に熱がこもる」こと。
同じ姿勢、同じ場所を見つめ続けることでの
頭まわりの筋肉の過緊張とともに、
パソコンのブルーライトや電磁波の影響もあったのでしょう。
脳が発熱してなかなかクールダウンしない感じ。
額から目にかけてが気持ち悪い。疲れる。休んでも休まらない。
頭に血がのぼりっぱなしみたい。
ヨガをじっくりやると少しはいいのですが、
スタジオに行く時間もそうとれないので困っていました。
何かいい方法はないものかとあれこれネットで調べるうち、
偶然、目に留まったのが
「クラニオセイクラル・セラピー」です。
ふむふむ、アメリカの外科医が考案した、痛くないごく優しい手技とな。
「肩こりにいい」とあります。「脳のリラックスを助け」「心にも働きかける」とも。
幸い、そのサロンは自宅近くにありました。
ぐいぐい押す施術への限界を感じていたのと、
なんだかとにかく面白そうなのとで、
ヒーリングだとか天使だとか怪しげ(当時の私には)なメニューもある
その「サロン」なるところに足を踏み入れることにしました。
そして初体験。
びっくりしました。
施術途中に頭の中で、まるでお湯をバシャーっとぶちまけられた感じがしたんです。
引き続いてそのお湯がどんどん身体に流れ始めます。
気持ちいい。
まるで、あったかい布団のなか、
夢うつつでおねしょをするのにも似た快感。(たとえが悪くて失礼)。
実際、そのとき私は夢うつつの中にありました。
寝たり目覚めたりの半睡眠状態で、なんともいえない浮遊感に包まれて。
なんだろう?このあったかい液体は?
と思うも、すぐにまた夢の世界へふわっと入ってしまう。
夢では、子ども時代の光景をいくつも見ました。
一番印象的だったのは、母親のひざ枕で耳かきしてもらっている小さな私。
夢とはいえ、とてもリアルでした。
終了後、お茶を飲みながら「どうでした?」と尋ねられ、
その夢のことも話しました。
「とても気持ちよくて、甘い気持ちで、エプロンの匂いがよくって。
なーんだ、私、お母さんにちゃんと可愛がられもしたんだな、と思いました……」
と、ここまで話して、思いがけず、涙がぼろぼろぼろっとこぼれました。
肩こり解消のために来てるのに、私ったら、
なにを口走って、しかも、なな、なにを泣いてるんだ!?
自分で自分に激しく動揺しながらも、
「そうか、つまり私、今までずっと母に可愛がられていないと思いこんでいたんだ」
ということに初めて気づきもし、
そしてすぐさま
「いや、でもああやって甘い時間もちゃんとあったことを思い出せてよかった」なんて思いも訪れ、
となるとすがすがしくもあったりして、
なんかもう…忙しかったです。
帰り道、
頭のもやもや熱が引いていて、
歩くと頭蓋骨に風がスースー通る感じがするのにまたビックリ。
目も、肩もとても楽。
「この感じ、いつぶりだろう?」という爽快さでした。
施術といえば、あお向けに寝て、
足や仙骨、頭蓋骨をじーーっと触れられただけなんだけどな……。
なのにこれ、この変化。
私にはすばらしく効果があったクラニオ体験。
衝撃でした。
しかし、そのサロンは私が次の予約をもたもたしているうちに
セラピストさんの人生の変化に伴い、なくなってしまいました。
以後、数年間、クラニオを正規メニューにしている
これといった治療院が見つけられずに時は過ぎて行きました。
そしてふたたび出会ったのは、ホメオパシーの学校に入ってから。
「ホメオパシー治療にクラニオを組み合わせるとすばらしい」
講師のイギリス人名ホメオパスの、この言葉です。
クラニオ!!ここで出てくるとは!
私が心底興味をもった二つのものが、つながった瞬間です。
勝手ながら運命的なものすら感じ、大興奮。
学ぶ先も見当たらないのに
「クラニオもぜったいにいつか勉強しよう」とそのとき心に決めました。
長くなったので、続きは次回!