人と対面して、目を見ながら話していると、相手の集中力の途切れた瞬間、というのがわかる。あ、今、何か他のことが気になってるな、私の話に興味がないな、そうなると、話してる私も、はやく話を切り上げるか、黙るかしなくちゃならないんだけれど、
 
目の前の相手が、ふっと別のことを考えはじめたことに気づいても、そのままとりあえず、私の着地点まで、私のテンポでゆける相手、それが、加藤ひろ海。
 
 
そして、ここからが、加藤ひろ海。
 
 
加藤は、さっきふっと考えはじめた話をはじめる。脈絡なく。しかし、聴いていると、それは私の話から感じとった、加藤の見てきた風景なんだな。私の見てきた風景に、加藤の風景を重ねてきて、
 
私はあなたの話からこんなことを思い出した。
 
そう示してくる。
 
私の話をどうこう言わず。
 
 
そして、私は加藤の話を聴きながら、また私の景色を胸に抱いて。
 
 
 
 
なんていうか、それは、読書に似ている。
 
ひょっとしたら加藤にとっては、
映画に似ているのかもしれない。
 
 
 
加藤の書いた台本の言葉をおいながら
ふっと別の事を考えはじめて
朝の風景を眺めるぎゅうぎゅうな通勤電車。
 
 
読書するみたいに
人と向き合いたい。
 
なつこ