当ブログは、もともとは「ミナミAアシュタール」という単体のスピリチュアルについて書くものだったんです。

 

理由は、親族の一人がこの「ミナミAアシュタール」にはまって、家族ともまともなコミュニケーションが取れなくなって、ミナミAアシュタールがメルマガ等で発信するおかしなメールをプリントアウトしてご両親に大量に送り付けるなどの行動をとるようになる。

 

同居する家族にも高圧的に、学校その他の場でその教えにしたがった行動をとるように要求、ご家族の心労もマックスになり、下手すれば離婚も考えられる。そういった状況下で、親族の会議での話し合いにも呼ばれたことがきっかけですね。

 

よくあることですが、そもそも話にならない。現実の事よりもミナミAアシュタールの言うことの方が正しいと固く信じていますから。それ以外は一切シャットアウト

 

でも突っ込んで矛盾を突くと何も答えられない。でも信じ続けるし、社会全体あるいは(ミナミAアシュタール以外の)我々すべてが間違っていると根拠も何もなく強硬に主張されるわけで。世の中は頭でっかちで知識があるが、真実はないんだそうで(どうやってそう判断するのかは不明ですが)。

 

信じている当人は、国立大学で大学院まで行っている人間で、少しは論理的な話ができるのかなと思ったんですけど。まあスピリチュアルで変な主張する人には、結構有名大学で博士号とか、持っているような人も少なくないですからね(大学名とかで信じちゃだめですよ、某T大なんて結構変な人多いんですから、どこにだって変なのはいます)。

 

いまだに信じているみたいですけれど、まあ今後どうすべきか、この完全に傾倒している当人はともかく、ご家族、特に配偶者やお子さんをどうフォローするかって悩ましい話が今も残っているところです。

 

この問題になっている、ミナミAアシュタールも主導する人物が、自分がアシュタールとかさくや姫とかチャネリングしていると主張しているわけですね。で、彼らの言う真実を伝えているというんです。つまり、そういった超越的な者と交信するということがチャネリングらしいです。

 

チャネラーだらけのアメブロ界隈

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アメブロでも検索したけど、出るわ、出るわ。世の中こんなにチャネリングできる人だらけなのか、犬も歩けばチャネラーにあたるって感じになっている。

 

「#チャネリング」のハッシュタグだけで9万近くもある。

 

どういったものとチャネリングしているか見てみると、

「ハイアーセルフ、守護天使、天使、女神、アカシックレコード、動物、植物、精油、さまざまなスピリット、宇宙、神様、創造主、高次元、光の存在、アシュタール、シリウス、さくや姫、織田信長、豊臣秀吉、宇宙人、プレアデス星人、バシャール、レムリア・・・」ううう、キリがない

 

本気でこういったものと(というかそもそも存在するのか?)交信してるって信じてるんですかね?なんか胡散臭い。

 

動画なんかも見させてもらいましたけど・・・、え?って感じですね。どう見ても、交信しているように見えないし・・・。少なくとも交信する振りくらいしてくれよ!

 

現代のシャーマニズムとしてのチャネリング

宗教学や民俗学などで原始的な宗教として扱われるシャーマニズム。薬物やら興奮するような動作やらでトランス状態になって、自分の体に精霊や神霊などを憑依させる、あるいはそのような超常的な存在と交信するという手法は、ごく初期の宗教からおこなれてきた手法で、日本だと恐山のイタコとか沖縄のユタとかが有名ですね。

 

これははっきりわかっているわけではないですが、一応「魏志倭人伝」では、卑弥呼は「鬼道」を行っていると書かれていてシャーマニズムではないかと推測されています。

 

新約聖書の中にも「異言」というのがあって、聖霊(三つの神性のうちの一つ)が信者に降臨するというのですかね、そして知らない言語の言葉を話し出すというのが書かれています。そんなこと、正統な宗教では、もうないだろうと思っていたら、ある知り合いの牧師さんに「たまにそういったことあるよ」って言われて、ちょっとびっくりしたことがあります。まあ、これもシャーマン的なものが正統的な宗教の中にもまだ残っている事例かもしれません。

 

チャネリングも「超越的な何かと交信する」という意味では、シャーマニズムの系統に分類されると思われます。

 

ニューエイジで復活した新しいシャーマニズム

もともとニューエイジ以前の心霊主義においては、霊媒による死者との交信というものが多く行われていました。もちろんこれは正統的なキリスト教から白眼視されるものであったわけですが。これは聖書の中にはっきりと禁じられているからなんですね。

 

ところが、この心霊主義をより現代的な形にした、ブラヴァツキーの「神智学」において、「マハトマ」という高位の存在との文通を主張し、これらが現代の高位の存在との交信するアイデアの源流になったと考えられています。つまり今まで死者との交信が主だったものがその枠が一挙に広がるきっかけを作ったのですね。

 

後のこのアイデアはさまざまな形でニューエイジ系の人々によって発展させられ、ニューソートなどの異端的聖書解釈による「人間と宇宙がつながっている」という思想、また神智学の影響を受けたUFOコンタクティによる宇宙の存在との交信などにも援用されます。さらに神智学で主張されていた様々な大陸(アトランティス、ムー、レムリア)などとも結びつけられたりもします。

 

そのため、交信の相手の爆発的増加、カオス的な状況につながり、上記のような言ったもの勝ち的な何でもありの状態に発展してしまったように思われます。

 

本当に交信しているの?

どうなんでしょうね?皆さんはどう思われます?

 

チャネリングの動画を見る限りでは、単に普通にしゃべっているようにしか見えません。中には演技している人もいるのかもしれませんが。

 

これを交信していると考えるのは、第三者的視点だとなかなか厳しいですね。うーん、信じている人から見ると交信していると見えるのかな?そちらの方が不思議ですが。少なくとも私の視点から言うと交信しているにしては、ずいぶんお粗末に見えるのですが。

 

懐疑主義者が疑似チャネリングに挑戦

今年10月に亡くなった懐疑主義者で著名な奇術師ジェームズ・ランディは、このチャネリングの嘘を暴こうと面白いことを行いました。

 

オーストラリアのテレビ局が「捏造情報を人はどこまで信じるか」という企画をランディに依頼し、ランディは即席の素人チャネラー「カルロス」を準備、全部インチキでテレビに出演したのです。マスコミも彼を大々的に取り上げ、多くの信者を生み出しました。

 

シドニーのオペラハウスでのショウまで行い、真実のチャネラーとして大人気になった時にランディはネタ晴らしをしたのです。

 

大騒動になり、本物のチャネラーとして扱った多くのメディアが恥をかく結果になりました。ランディは「メディアは簡単な検証一つ行わなかった、人は騙されやすいと同時にメディアも簡単に騙せる」と言ったのでした。

 

さて、多くの「本物」のチャネラーもどうでしょう?本当に本物なのでしょうか?

 

結論:

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チャネリングはニューエイジのはしりである神智学からスタートした。

 

交信相手を広げたため現在はカオス状態になっていると思われる。

 

偽物のチャネラーを使った検証では多くの人が騙された。それとの差異が本当にあるか、きちんと検証する必要はある。