十方暮の「十方」とは天地と八方向のことで、
「暮」は本来は「闇」という意味です。
「四方八方十方が閉ざされた」という意味です。
五行説にもとづく暦注で、干支の21番目にあたる甲申から30番目の癸巳にいたる10日間をさします。
この間の干支は、五行にあてると甲申(きのえさる)のように甲は木で申は金というように
相剋(そうこく)する関係にあるので凶となります。
これは五行相剋という観念に由来し、金は木に勝つとされるからです
癸巳(みずのとみ)の場合も、癸は水で巳は火ですから、水は火に勝つ相剋なので凶となります
五行相剋は図で示すと下図のようになります。
水は火に勝ち、火は金に勝ち、金は木に勝ち、木は土に勝ち、土は水に勝つ。
一方で、五行相生(そうしょう)は、木は火を生じ、火は土を生じ、土は金を生じ、金は水を生じ、水は木を生ずという関係になります。
十方暮のあいだは天地陰陽の気が和合しないで、十方の気が塞がり、何事の相談もまとまりにくく、万事に凶であるとの事
さらに追い打ちをかけるように十方を途方(とほう)と読み替え「途方に暮れる」と記されたりもしました
以下のようなことをしてはいけない、
見合わせたほうが良いとされています。
- 婚礼(入籍・結婚)
- 相談
- 旅行
- 引っ越し
- 訴訟
- 新しいことを始める
3日目の「丙戌」と6日目の「己丑」は暦上「間日」と言い、悪い影響を受けない日、
特に何もない日となっていますが、十方暮の場合は周り日の影響を受けてしまうことから、10日間全て凶日となっています。