lavaの創作ストーリー用ブログ

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lavaの創作ストーリーを小説化したものを載せていこうと思います。

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はてな…spider125
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「…やぁ、諸君。」
上空の方で立ち、こちらを見下ろす姿。
巨大な白い羽根の男は言った。
「あれが…クロスジーンのボス…シェダル…」
「あぁ…クロスジーンが奴隷とされていた頃の傷や後遺症が節々に見られる。」
ザイディンが付加した。
「他軍の君達には悪いな。此方から各軍にスパイを送らせてもらっていた。」
「スパイって…まさか、今周りにいる彼等…」
赤髪で黒マフラーの男が言う。
「あぁその通り。俺、シェダルを囲うように並んでもらっている、二次黒軍のカフ、二次白軍のツィー、二次赤軍のルクバー、二次青軍のセギンの4人だ。石の件を受け、俺達はこうして動き出す事に決めた。」
「動き出す…?」
「何を隠そう…彼等4人の正体は…クロスジーンだ。」
「何っ!?」
シェダルがそう言うと、すぐさま周囲の4人は姿を変えた。
顔の塗装を落とし、本来の顔を見せる。
すると、クロスジーンの特徴ともいえよう、白と黒のあらゆる模様が見せつけられた。
「ツィー…さん…」
俺は思わず言葉を漏らした。
「ちっ…」
「…そう来たか…」
「嘘でしょ…」
周りの戦士達は言葉を吐露する。
そして再び、シェダルは話し始める。
「残念だったな…折角、分かりやすいメンバーを集めて振り分けたと思っていたのにな…各軍が名簿を持っているというのに、こんな事にも気が付かないなんて…」
「こんな事…?」
「あぁ、説明してやろう。俺達5人は総じて星の名を授かっている。まぁ、元々名も無き人種だから本当の名などあったとしても知らぬが…俺達は俺達でお互いに授与された名を本当の名としている。それが、カシオペヤだ。」
「カシオペヤ…?」
「俺達の名はカシオペヤ座の星々を振り分けたものだ。α星をシェダル、β星をカフ、γ星をツィー、δ星をルクバー、ε星をセギンだ。」
「何だと…」
「そういえば聞いた事あるぞ…」
セフトが声を出す。
「…何をだ?」
「この世界は星と数字に守られているって話…名に星や数字を持つ者には特殊な力が宿っている…それを知っていて、星の名を振り分けたのだとしたら…」
「あぁその通りだ。俺達のみならず、クロスジーンの何人かは星の名を持ち、復讐に必要な力を得まいとした…」
その時、カシオペヤの5人の背後から、クロスジーンの面々が姿を現す。
「あれは、リガティ…そしてザン、ミリティーグレット…」
戦った相手…そして。
「…あの顔は…!」
村を襲った奴等がいた。
奴等は笑って此方を見下ろしている。
名を…フェターとマナクルだったっけか…?
「シェダル、お前今、『復讐』と口にしたな?」
黒軍のボスが聞く。
「あぁ…もうお察しだろう。俺達クロスジーンは、雑種という理由で人種差別を受け、長い間奴隷とされてきたという経緯がある。それはもう屈辱で残酷で、過酷で退屈な日々…そんな俺達は日々を重ねていくと共に憎悪を募らせていった。人種差別という風潮が消え去った今でも、その憎悪は1ミリたりとも解消されていない!」
「………。」
「今ここに、俺達は貴様等純粋な色を持つ者に復讐する事を誓う!…さぁ、貴様等も抗うのなら抗…」
「だからかよ!!!」
「ラッシュ!」
叫んだ俺に、セフトは驚く。
だが、そんな事は気にしていられない。
「だからかよ!…俺達の大事な村を襲ったのは!」
「お、あん時の青年じゃん。」
「あー、まさかこんな所にいるとはな…」
表情を変えずに、フェターとマナクルは言う。
「…クロスジーンだか何だか知らねぇが…俺の生涯を注ぐと決めていたあの村を一瞬にして壊しやがって…」
「お、おいラッシュ…」
「人種差別?奴隷?…知るか!…お前達がそういう扱いを受けてきた事と俺達の村を滅ぼす事は違うだろ!…あんな…あんな事にならなきゃ…俺だって…」
「黙れ。」
冷徹にシェダルが言った。
「俺達は人生を奪われたんだ。だから俺達も貴様等の人生を奪った。同じ事じゃねぇか。ったく…このままじわじわと抹殺していこうと思っていたものの…折角争奪戦まで企ててやったのに思わぬ邪魔が入ったもんだぜ。」
「争奪戦を…企てた?」
片腕を俺の目の前に出し、リバース様は聞いた。
「あぁ、赤のボス、フェスは見抜いたようだが…偽物とされていた"情熱の石"と"清爽の石"…実は他の軍に在る石も全て偽物だ。」
「なっ…!?」
「そもそも本物なんて元から無かった。こうやって争奪戦を勃発させる事で各軍は戦い合い、自然と俺達クロスジーンも復讐を始められる。おまけに、争奪戦の発端が俺達クロスジーンによる復讐である、と詳らかにされるリスクも減る…そういう事だ。」
「…だから、彼奴等ははなっから石目当てじゃぁなかったのか…」
イクスサンダーが言った。
「…つまり…」
「私達4軍は、最初からクロスジーンに騙されていた…」
白マントに身を包む青髪の女性が言った。
「あぁ、その通り。フェスに偽物が見抜かれちゃぁ仕方ない…さぁ、始めよう…復讐の時を…」
そう言って、シェダルは口角を上げた。
「…くっ…」
「決して逃げようなんて思うなよ。例え逃げても、俺達は何処までも追いかける。俺達の計画は佳境に入ったのだ。それを受けて、今度会う時は一体どうなる事やら…楽しみにしているぜ。」
シェダル含め、クロスジーン全員は背を向ける。
そのまま去る…と思いきや。
「…それと、ラッシュとやら。」
「…何だ。」
突然呼ばれ、ビクッとなる。
「己の事情は貴様の中だけに留めておけよ…これは貴様の物語ではない。1つの軍としての戦いだ。俺達雑種のように濁った血を持つ貴様等と、俺達クロスジーンの戦いだ。いいな。」
「………。」
そう言い放ち、シェダルをはじめとするクロスジーンはすっと姿を消した。
俺達白軍を含む、4つの軍は、そこにただ取り残された…
…カシオペヤの輝きを失って。

続く。