伊坂幸太郎さんの作品の魅力といえば、"非現実的な設定なのになぜかすんなり受け入れてしまうほどのテンポの良さ"そして"主人公を中心としたキャラクターたちの飄々と生きる様"はないかと思っています。
フーガとユーガもそんな魅力が詰まった作品です。
ちなみにこちらの文庫本、表紙が青と赤の2種類あり、赤の方はTSUTAYAの限定カバーだったそうです。
双子であるフーガとユーガは誕生日の日だけ、超能力的な事象が起こります。そしてそれに気づいた二人が、その力を使って色々やってみたり、やられたりしながら過去に起きた事件について迫っていきます。
二人は決して順風満帆な生活を歩んできたわけではなく、むしろ過酷な人生を歩んできているのですが二人の会話にはそんなこと全く感じさせない飄々さが伺えます。そしてやはりこの二人も、他の伊坂幸太郎作品の登場人物たちと同じように超能力という非現実的な事柄を普通に受け止めています。むしろこんなことはできるかな、なんて利用しています。
物語を通して、二人はこの力を自分たちのためだけではなくいろんな人のために使っています。そんな二人はニュータイプの正義の味方とも言える気がします。