バルディサベナ・ボデガス(DOソモンターノ) | 毎日スペインワイン

バルディサベナ・ボデガス(DOソモンターノ)

今月からネットショップで販売するワインの銘柄が追加されました。


☆ コホン・デ・ガト(赤)

☆ コホン・デ・ガト(白)


の2銘柄です。


こちらのワイナリーはピレネー山脈の麓、イサベナ渓谷に位置しておりまして、ワイナリーの名前はバルディサベナ・ボデガス。今年の5月にこちらのワイナリーを訪問して参りました。


毎日スペインワイン ワイナリーのある場所は、サラゴサから北東に100kmほど入った辺り。高速道路を降りてからは山道をひたすら走ります。DOはソモンターノ。


毎日スペインワイン ワイナリーの代表はまだ30代前半の若いエンリケ君です。大学でワインの醸造を学び、エノロゴ(醸造家)の肩書も持っています。彼のお父様がいくつかワイナリーを持っておられて、その中のひとつを彼が任されているとか。


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最初に貯蔵タンクやボトリングマシーンを見せていただいてからテイスティング。


毎日スペインワイン 弊社で取り扱いをしているコホン・デ・ガトの他、数種類の試飲をさせていただきました。


毎日スペインワイン イシェイアの赤、白、ロゼ、そして、イサベナという名前のワイン(赤)。どれも良かったです。


毎日スペインワイン コホン・デ・ガトのヴィンテージ2010。コホン・デ・ガトとはブドウの品種の名前です。DO(原産地呼称)ソモンターノは、別名、品種のデパートとも言われる地域。ピレネー山脈の影響を受けた気候により、谷ひとつ越えると微妙に気候が変化するのです。それゆえ、その土地ごとに適したブドウが作られていて、他の土地では見られない地ブドウが多くあります。


毎日スペインワイン こちらのシャルドネ種100%の白ワイン、イシェイアも気に入りました。

試飲が終わってからブドウ畑へ。


ブドウ畑は、ワイナリーの近く(といっても結構広範囲)に点在していましたので、ワイナリーの車で移動しました。


ひとつひとつの畑は決して広くはありませんけれども、手入れが行き届いていて、作り手の意気込みが感じられる畑でした。


毎日スペインワイン まずはこちら。ワイナリーの建物の前にありました。まだ植えて1年、もしくは2年というモリステルというぶどうです。DOソモンターノでもピレネーにほど近い地域でしか栽培されていないそうです。


毎日スペインワイン 上の画像のアップです。まだ、ちびっこいぶどうの木が、一生懸命ツルを伸ばしているのがおわかりになるでしょうか。

毎日スペインワイン ぶどうを栽培するにあたって、土壌も大事な要素のひとつなんです。石と砂地が混ざったモリステル種の土壌です。


毎日スペインワイン モリステル種の葉。比較的丸みを帯びています。


毎日スペインワイン まだ樹齢は若いけれど、元気に実をつけていました。モリストレルのぶどうの子供です。


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毎日スペインワイン モリステル種を見て、次に向かったのがカベルネ・ソーヴィニオンの畑です。ここに写ってはいないのですが、実はこの畑の隣は小さな墓地でして…。でも、ぶどう畑の隣で安らかに眠れるのなら、それは素敵なことだと思いませんか?


毎日スペインワイン 上のモリステルの畑と比べると、明らかにぶどうの木の幹が太いことがお分かりになると思います。こちらは樹齢20年くらいだったと思います。


毎日スペインワイン こちらも可愛い実をつけていました。もうしばらくしてから、一つの幹に付ける房を餞別していきます。手作業で行うので、大変な仕事量だと言っていました。


毎日スペインワイン カベルネ・ソーヴィニオンの葉です。モリステルは何となくのっぺりした感じですが、カベルネは切り込みが深いです。


毎日スペインワイン 実の赤ちゃんのアップ。半分以上が捨てられてしまうなんて可哀想ですが、良いぶどうの実を付けさせるには仕方のないこと。昨年、栃木にあるココファームに行った時、この捨てられた実をピクルスにして出して下さいました。あれ、美味しかったなぁ…。さすがにスペインでそんなことをやっていたら膨大な量と手間で大変ですけれどね。


毎日スペインワイン カベルネ・ソーヴィニオンの土壌。こちらも石ころが多い砂地です。


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毎日スペインワイン カベルネ・ソーヴィニオンの畑から車を走らせること30分以上。とっても見たかった地ぶどう、コホン・デ・ガト種の畑に到着しました。山の斜面にある畑で、イノシシが畑を荒らしてしまうそうで、畑の回りには鉄線が張ってありました。

毎日スペインワイン 結構勾配のきつい斜面に植えられています。


毎日スペインワイン 葉は、前の2種類の品種と明らかに違います。まず、葉が大きい。切り込みはカベルネ・ソーヴィニオンと同様に深いです。

毎日スペインワイン ピレネーの裾野の山々が見えます。この場所からカタルーニャまではすぐだそうで、アラゴン州も広いなあと思ったのでした。


毎日スペインワイン コホン・デ・ガトの土壌です。太陽の位置が後ろなので私が写り込んでしまっていますが…。カベルネ・ソーヴィニオンの土壌より若干粘土質かなぁ、見た目だけなので分かりませんが。

毎日スペインワイン こちらは何だと思いますか?実はこれ、バルデサベナ・ボデガスのコホン・デ・ガトの畑の隣の畑なんです。珍しい品種の地ぶどうの畑なのに勿体ない。手入れをすれば良いワインが出来るのに…。エンリケのお父様が地主に売ってくれるように交渉中なのだそうです。バブルはじけちゃったから地価も下がっているだろうし、地主も首を縦に振らないとか。お金も大事だけれど、これではぶどうが可哀想ですよね。



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最後に向かったのは、コホン・デ・ガト(ワインの名前の方)の白のぶどう品種、ゲヴィルツ・トラミネールの畑です。


毎日スペインワイン ゲヴィルツ・トラミネール、ドイツが原産国なのですが、スペインでも標高の高い所でしか栽培されていないようです。


スペイン語でコマルカ(comarca)というのですが、狭い地域のことで、例えば山一つ越えると気候が微妙に異なったりします。そのコマルカにもっとも適した品種のぶどうを植えて栽培すること、これがワイナリー農家の基本です。


毎日スペインワイン ゲヴィルツ君、初めて出会いました。枝も結構伸びていましたね。


毎日スペインワイン 実は私、ゲヴィルツの葉のアップを撮り忘れておりまして、これが一番葉が大きく撮れているかな?切り込みの少ない、丸みを帯びた葉です。


毎日スペインワイン こちらの畑も山の斜面に沿って整備されていました。


毎日スペインワイン ゲヴィルツの土壌です。ここも石ころまじりの砂地です。


毎日スペインワイン ここには、今までの3種にはなかったものが…。幹の下の方にパイブが通っています。これはどうしても必要な時に水を少しだけ撒くのだそうです。たくさんではなく、ほんの少し。


もともと、ぶどうは水の多いところでは甘く良い実をつけないといいます。水分欲しさに根が地中深くに入り込んで、そこから吸い上げる水分と一緒に、ミネラルなどの養分を吸い上げ、それがぶどうの味、如いてはワインの味にも影響してくるのです。


ゲヴィルツ種はドイツが原産の種類、雪も多いドイツなので水分が必要なのでしょう。


毎日スペインワイン このパイプの点検も定期的にするそうで、本当に手間のかかる作業だと思います。


毎日スペインワイン 最後はのどかな画像を。


この4種類のぶどう畑、所要時間は移動も含めて2時間半くらいでしょうか。とっても勉強になりました。特にピレネーのコマルカの気候を把握して、それに合った適切なぶどうを育てること。品種のデパートといわれる、DOソモンターノならではだと思いました。



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