私が担当させていただいている自由面会交流権訴訟(東京地裁)について,令和4年8月8日に期日が開かれて,最終的な主張書面を提出(陳述)した上で,審理は結審となりました。
判決は,令和4年11月28日午後1時10分から言い渡される予定です(東京地裁803号法廷の予定です)。
この自由面会交流権訴訟では,離婚や別居後に,親と子の「人格的な利益」である「自由な面会交流権」を保障する法律を国会(国会議員)の制定義務があるかが争点となっています。
以下で引用する東京高裁令和3年10月28日判決が,「親による子の養育という,親にとっても,子にとっても人格的な利益は,両親が離婚する場合でも,失わせることができない」との判示したことを踏まえて,「自由な面会交流権」を保障する法律制度が創造されるきっかけとなる判決を出していただくことを,期待しています。
何よりも,子どもからすると,両親が離婚することは,子どもの意志や努力では動かすことができない事柄です。両親の離婚により,子どもと片親が自由に会うことができなくなることを防ぎたい,それが何よりも子ども達の幸福追求権の実現である,と私は考えています。
東京地裁が令和4年11月28日に,「チルドレン・ファースト」の法制度を創造するような判決を出してくださることを期待して待ちたいと思います。
東京高裁令和4年10月28日判決
「親である父又は母による子の養育は,子にとってはもちろん,親にとっても,子に対する単なる養育義務の反射的な効果ではなく,独自の意義を有するものということができ,そのような意味で,子が親から養育を受け,又はこれをすることについてそれぞれ人格的な利益を有するということができる。
しかし,これらの人格的な利益と親権との関係についてみると,これらの人格的な利益は,離婚に伴う親権者の指定によって親権を失い,子の監護及び教育をする権利等を失うことにより,当該人格的な利益が一定の範囲で制約され得ることになり,その範囲で親権の帰属及びその行使と関連するものの,親である父と母が離婚をし,その一方が親権者とされた場合であっても,他方の親(非親権者)と子の間も親子であることに変わりがなく,当該人格的な利益は,他方の親(非親権者)にとっても,子にとっても,当然に失われるものではなく,また,失われるべきものでもない。」