私が担当させていただいている女性の再婚禁止期間違憲訴訟につき,12月16日に最高裁判所大法廷の判決が出されました。



判決は,民法733条が女性にのみ6カ月間(180日)の再婚禁止期間を定めた規定は,100日を超える部分について,法の下の平等や婚姻に関する男女平等を定めた憲法に違反する,という判断を行いました。



明治時代に,女性が生んだ子と父とのいわゆる父子関係の推定の重複をさける目的で制定されたのが,現在の民法733条1項の再婚禁止期間ですが,民法772条2項が定めるその嫡出推定の重複を避けるためなら,100日の再婚禁止期間で十分なはずです。この点は以前から法律家の間で指摘されていたところです。



12月16日に出された最高裁判所大法廷の判決は,「医学技術の発達や科学技術の発達を考慮すると,現在では100日以上の期間については,女性の再婚の権利に対する過剰な制約を課している」として,憲法に違反する,と判断したのです。



さらに判決は,再婚禁止期間の100日を超えない部分については,嫡出推定の重複を避けるために必要なものであり憲法に違反しない,と判断しましたが,最高裁判所裁判官の共同意見や個別意見を拝見すると,「医師により妊娠していないとの診断書を提出すれば,100日以内でも再婚ができる」との運用を前提とすれば,100日以内は憲法違反ではない,という判断であるようです。



とすると,今後100日以内について,行政通達などで,「医師により妊娠していないとの診断書を提出すれば,再婚ができる」という運用がされることを求めた判決である,と言えるように感じています。



今回の裁判では,多くの方から励ましをいただきました。マスコミの方々も大きな問題提起をしてくださり,その結果さらに多くの方が,エールを送ってくださるようになりました。心から感謝しております。


判決の詳しい内容につきましては,少しずつこのブログでもお話できることと思っています。応援してくださった方に,心からお礼を申し上げます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。