ペットと遺言に関する,興味深い記事を見つけました(2011年12月11日付四国新聞掲載の記事より)。
「猫と共に10億円相続
ローマでこのほど94際で亡くなった資産家の女性が遺言で,自分の飼い猫『トマシーノ』の世話を知人の女性看護師(48)に託した。
見返りに看護師が手にしたのは現金や不動産など約1千万ユーロ(約10億円)相当の遺産。地元メディアで『クリスマスにぴったりのドラマ』と話題になっている。
親戚がいなかった資産家の女性は当初,遺産をトマシーノに譲ろうと考えたが,イタリアの法律ではペットに遺産を相続させることができず断念。
死後も愛猫の世話をしてくれる人物を相続人とすることを決め,亡くなる前に弁護士と相談の上,遺言状を作成していた。
看護師は約1年前に公園で女性と知り合い,身の回りの世話をするようになった。看護師も猫や犬を飼っており,動物愛護団体に寄付を行ったりしていたため最適の人物として選ばれた。」
実は,日本の法律(民法)でも,ペットに遺産を残す,という遺言を作ることはできないのです。
でも,上掲の記事に書かれているイタリアのように,ペットの世話をしてくれる人に対して,遺産を譲り渡すとすることは可能なのです。これを「負担付遺贈」といいます。
家庭裁判所の裁判官を通して法律家の理想像を描いた『家栽の人』では,「遺言は,亡くなられた方が最後にかなえたい思いが込められたものです」という言葉が登場しました。人生を懸命に生きて来られた方の思いを,私達は大切にしたいですね。
ペットに遺産を残したい,というお悩みをお持ちの方は,遠慮なくご連絡いただければと思います。