原油相場は4営業日続落で安値を更新しています。今回の下げで初めて終値で$20/bblを割りました。IEA が足下の需要が日量2,900万バレルの減少となっていると発表したことから、不安感が市場を支配しました。とはいえ、今が最悪という見通しが立ったことで、更に下値を追うのも難しくなりつつあります。
4月15日の NYMEX WTI 原油先物の終値は前日比24セント安の$19.87/bblで、引け後の時間外取引は$20/bbl台前半です。
国際エネルギー機関 (IEA) の4月月報によると、2020年の世界の石油需要見通しは日量9,090万バレルで前回の予想より同920万バレルの下方修正です。一方、2020年の OPEC 原油を除く世界の石油供給見通しは日量6,250万バレルで前回から同440万バレルの下方修正となっています。
コロナウイルスのパンデミックによる需要の減退について、IEA は通年で前年比日量930万バレル、4月単月では同2,900万バレルの減少と予想しています。第2四半期の需要は前年比日量2,310万バレル減で、12月になっても同270万バレルの減少を示すとされます。
これに対し OPEC+ の日量970万バレル減産に加えてカナダなど他の産油国も追随することから、5月の世界の石油供給量は日量1,200万バレル減少するものと予想されます。とはいえ、需要の落ち込みに対して生産量の低下は釣り合っておらず、第2四半期の需給バランスは結局日量1,500万バレルを超える余剰となることが見込まれます。
一方、第3四半期以降について IEA は需給逼迫に転じると見ており、OPEC+ が先週の合意通りに7月以降の日量800万バレルの減産を継続した場合、第4四半期の供給不足は同500万バレルを超えることになります。
米国エネルギー省は戦略備蓄の積み増しを検討中で、合計2,300万バレルの調達が早ければ4月中にも始まる見通しです。
米国は長期的な戦略備蓄の放出を進めており、コロナウイルスのパンデミック前には今年第4四半期の売却も予定されていましたが、急遽方針が変わっています。中国やインドも備蓄を積み増す動きと報じられています。
米国エネルギー情報局 (EIA) の週間統計によると、先週末の全米の原油在庫は1,010~1,170万バレル増加の予想を大きく超えて前週比1,925万バレル増となり、1,314万バレル増の API 統計の数字も大幅に上回っています。原油在庫は2017年6月以来の5億バレル台となりました。
原油処理量が前週から更に日量100万バレル近く減少して同1,267万バレルとリーマン ショック以来の低水準を更新しました。輸入が日量20万バレル減少する一方で輸出は同60万バレル増え、国内産油量は前回に続いて小幅減少となっています。
石油製品の総出荷量は、日量1,380万バレルと統計開始以来の低水準を更新です。ガソリンの出荷は小幅増となりましたが、暖房需要の終了期のためか中間留分の出荷は前週比日量110万バレルの減少となっています。ガソリン出荷の減少は落ち着いたとはいえ、前月に比べて半減の水準です。
先週の米国石油製品の出荷量は前年比で見ると30%減少となっており、市場の弱気予想に近い落ち込みです。ただ、出荷量は週ごとの振れが大きく、原油処理量の減少幅を見ると20%前後となっています。
石油連盟週報によると、先週の日本の原油処理量は日量266万バレルで前年比14.8%減、石油製品の生産量は日量240万バレルで前年比15.6%減でした。非常事態宣言後の数字も入り、消費税増税の影響を控除しても2桁減の状態です。今後更に需要の低下する可能性もありますが、こちらはまだ2割や3割といった減少にはなっていません。
2020/4/15
NYMEX WTI May: $19.87/bbl ( -0.24 )
20日移動平均: $25.03 ( -0.54 )
ボリンジャーバンド
+2σ: $29.65/ -2σ: $20.42
幅: $9.23 ( -0.19 ) / 100日平均: $12.72
ボラティリティ
179.09 ( -0.90 ) / 100日平均: 60.77

