3月8日のNYMEX WTI 原油先物は反落し、前日比42セント安の$105.02/bblで引けました。引け後の時間外取引は$104/bbl後半です。

クウェートの石油相がOPECは増産について緊急会合を検討していると語ったことや、サウジアラビアの石油相が市場への原油供給は不足していないと語ったことなどから原油相場の上値が重くなっています。
内戦の続くリビアでは生産施設の操業停止で日量160万バレル弱だった産油量が同60万バレル前後に落ちているとも言われますが、減少した日量100万バレルが他の産油国によって代替されているかどうかは不透明ですね。

サウジは日量850万バレル程度と推定される1月の産油量から2月は同900万バレル以上に増産しているとみられ、クウェートとUAE、ナイジェリアは合わせて日量30万バレルの増産を表明しています。
クウェートなど3国は1月時点で余剰生産能力が合計で日量60万バレル前後でしたから、大きな力にはならないのでしょうが。

それでも、リビアの減産が相場に織り込まれつつある中、中東・アフリカ情勢に目新しい展開が無い限り上値は追い難いというムードが市場に拡がっており、地政学的なリスク・プレミアムで特に大きく買われていたブレント原油のWTI に対するプレミアムは遂に$8/bbl前後に縮んで、2月後半に最も拡大した時期の半分になっています。

中東情勢の目先の注目点は、今週金曜に計画されているサウジアラビアのデモの動向でしょうか。
クウェートでも反体制デモが計画されているようですね。
産油国の場合は、オマーンがやっているようにばら撒きや改革案提示などの懐柔策で国民の不満を抑え込めるのでしょうか……

米国エネルギー情報局(EIA)は3月の短観を発表し、世界の石油需給について2011年と2012年の見通しをそれぞれ前月時の予測から日量4万バレルと同9万バレル上方修正して、日量8,820万バレルと同8,988万バレルとしています。
供給予測は2011年が日量36万バレル下方修正の一方で2012年は同29万バレル上方修正となり、それぞれ日量8,742万バレルと同8,960万バレルとされます。

従って、世界の石油需給バランスは2011年が2月短観より日量40万バレルの供給不足拡大で同78万バレルの供給不足、2012年は前月短観より日量20万バレルの供給不足縮小で同28万バレルの供給不足となります。
2011年は需給逼迫が一層深刻化し、2012年にはやや緩和するという見通しですね。
そのため、EIAは2011年のWTI 原油相場の平均価格見通しを前月より$9/bbl引き上げて$102/bblとしています。
(参考図表)

マスターカードの調査では、先週の全米のガソリン消費量は前週比1.8%減と3週振りの減少でした。前年比も1%減です。
ガソリンの平均小売価格がマスターカード調査で前週比19セント、米国エネルギー情報局の調査でも13セント上昇して$3/ガロン台半ばに達しており、レジャー目的などの消費を抑制する動きになっているようです。
(参考図表)

原油相場の上昇による需要減退は米国よりも新興国の方が深刻でしょうから、EIAが予想するような需要の上方修正が可能かどうかも気になりますね。

2011/3/8
NYMEX WTI Apr $105.02/bbl ( -0.42 )
20日移動平均: $96.63 ( +0.88 )
ボリンジャーバンド
 +2σ: $111.98 / -2σ: $81.28
 幅: $30.71 ( +1.37 ) / 100日平均: $9.37
ボラティリティ
 36.89 ( -0.89 ) / 100日平均: 25.35


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