焼きいもー
石焼いもー


うぉおおおおお!!
どらららららららくぁwせふじこ。


パブロフの犬のように。
犬のパブロフのように?
どっちでもいいけど、
「石焼きいも~」ってあののんびりした声が遠くから聞こえてくると、どららららら!!!即化粧をはじめる私。


だって。
だって!!


イモ買って食いたい≒すっぴん見られたくない


この拮抗する2つの感情!!
鈴木君も好きだけど佐藤君だってだーい好き!
みたいな。
化粧下地にパウダーをはたき、グロスを塗り塗り部屋を駆け出る私。


荷台に私の夢(和名:イモ)を乗せて走るよ、走る~♪軽トラは走る~♪(作詞作曲・私の内面)
てか速過ぎ!!
しゃかりきにアクセルふかし過ぎ!!
あんたイモ売る気あんの?!!ってくらいその軽トラ速い。呼び止めらんない。

中島悟かその息子が運転してんじゃねーかってくらいの速さ。

カーブとか完全にヘアピンだもの!


しかも時は三月、春を迎えましてー。もう石焼イモ屋の季節も終わりかけ。
このままじゃ、連敗を喫したままだなと。ハルウララの様相呈してきたなと。イモトラ(石焼イモの軽トラ。ヤンマーのエコトラとは一線を画す)が来そうな時間を見計らってしっかりばっちり化粧して待っておりました。


じりじり時間だけが過ぎてiku!


はい、ちゃっかりウトウトしましてー。私クラスになると抜かりなく滞りなく居眠りしちゃいましてー。


「石焼きイモ~」


の声にハッと目を覚まし、ギャース!!叫びながら窓に駆け寄る私!


おまいごー!!!(oh my god)
ラッキー!!!


誰が奇跡的に呼び止めることができたのか、マンションの真下でイモトラがお停まりになってありおりはべりいまそかり。


きゃっほー!!!!


玄関を嬉々として飛び出した私。

エレベーターの降りる▼ボタンを必殺技で高速連打!弾けるイモの香りー!!プリキュア・イモ!!(←必殺技。攻撃力3)


・・・・・


こ。
来ない。


エレベーターの現在階を告げるランプ、10階くらいでピカーって。ピカーってしたまま動かない。


深呼吸した。
10階。


気持ち落ち着けた。
10階。


楽しいことを考えてみた。
10階。


辛いことを思い出してみた。
10階。


小躍りしてみた。
10階。


ニューハーフあんどう蒼の超乙女改革

ぎいいいやあああああ!!!


イモ!!
私は!!
ただ!!
イモを!!
食べたいだけなのです!!


涙ながらに見上げるランプがそのとき!動いた!
ホントそのとき歴史が動いたってくらい動きまくりやがった!!


9


8


7


・・・・


チーン!!


開いた扉に、正に意気揚々と乗り込もうとする私の目の前に迫る冷蔵庫。


てか引越しー?!

この時間(夜8時)にー?!
アリさんマーク?松本引越しセンター?それともサカイ?さぁどれ!


きゃー!!
乗れないのー!!

エレベーターが冷蔵庫やらなんやらに占拠されまくっちゃって乗れないのー!!


「あ、すいませーん」
軽―く。羽毛より軽―く頭を下げ、引越し屋のチャンニー(兄ちゃん)はエレベーターの扉を閉めた。

取り残された私は遠く。遠くをただ見ていた。


・・・・・・


ニューハーフあんどう蒼の超乙女改革

きいいいいいやぁあああ!!


わーらー!!!!(water)
非常階段を駆け下りる私!


待って。
待って!
あと少しで着くから!
今まで意地張って言えなかった言葉があるの。
私、あなたが・・・あなたのことが・・・
大好きー!!!!(to イモ)



マンションのホールを飛び出ると、すでにイモトラは走り出し、
「石焼きいも~~」
のんびりした声とは裏腹にヘアピンカーブを猛スピードでキメ!!してた。


取り残された私の後ろではさっきの冷蔵庫やらなんやらが続々とトラックに搬入されていたのであった。


言えなかったI LOVE YOU(イモ)


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