仏教では世界を客観的に見ることが大切なことだと教えられています。それはそれだけ私たちは世界を自分の思い込みで見ているからであり、真実が見えてないからです。
だから、自分の欲が絡むと、冷静さを失い、危険なことも危険だと思わなくなり、自分の思い通りに物事が進むと思ってしまいます。
特に自分の命については正しく見ることができず、いつまでも生きておれると思っているし、重い病気にかかっても、ひょっとしたら、このまま病気が治るのではないかと思ってしまいます。
人生とは自分の思い通りに進む訳ではないのに、自分の都合の良いようにどうしても物事を見てしまう。
だから、多くのものを失い、取り返しのつかないことになってしまうのです。
世界を正しく見ることは、例えるならば、余命宣告されて生きるようなもの。
少しでも長く生きようとするのではなく、残された時間を大切に悔いがないように生きること。
この場合、世界を正しく見るとは、死という現実を受け入れること。
それはどうしても目を逸らしたくない現実ですが、それを正しく見てこそ!本当に時間を大切にできる。
世界を正しく見てこそ、私たちは人生を悔いなきものにすることができるのだと思いました。