世の中には自分のことを悪い人間だと思っている人がいます。それは自分はまわりの人から嫌われたから、酷い扱いをされたから悪い人間だと思っています。
でも、たとえ他人から悪く扱われたとしても、そんな自分を悪い人間だと思うのは、他ならぬ自分自身。
自分を悪い人間だと思っているのは自分なのです。
ここで目を向ける必要があるのは、悪い方の自分ではなく、悪いと決めつけている側の自分です。
悪いと決めつけている自分は、たとえ自分を悪者にしても正しい所に自分を立たせています。
それは正しい所に立っていたら、一人で生きてゆけるからです。
私たちは誰しも何も持たない自分は見捨てられるという不安を持っています。
だから、心の奥底では自分は一人で生きてゆかなければならないと思っています。
そして、一人で生きてゆく為には、自分は正しい人間でなければならないと思っているのです。
その正しい人間である筈の自分がもし欠点があったならば、自分は一人では生きて行けなくなる。誰かに頼らなければ生きてゆけなくなる。
頼りたいと思った時に、支えてくれる人がいなかったならば、立っておれなくなる。
それが怖いのです。
だから、自分は完璧でなければならないし、自分に悪い所があったら、否定して、こんな悪い自分だと責めるのです。
自分を責めるのは、弱い自分を認めたくないから。
弱い自分だと支えてくれる人が必要になるから、こんな自分を支えてくれる人なんていないと思うから。
いつも正しい所に立って、自分を責めてしまうのです。
こんな人には勇気が必要です。
それは自分にはあなたが必要なんだとお願いすることです。
支えてくれる人を信じることしか、この完璧な自分を崩す方法はありません。
でも、この勇気を出すことは、そんなに簡単なことではないのですね。
難しいものです。