今私は仏法を伝えていますが、人間には寿命があり、いつまでも生きてゆける訳では無いと思うと、誰かに自分のあとを継いで欲しいと思わずにおれません。
しかし、仏法というのは、智慧がなければ、どんなに気持ちがあっても、伝えることはできません。ましてや仏法を伝えて生きてゆくことはどれだけ大変なことかと思うと、私の後を継いで欲しいと思う反面、それはなかなかできることではないなあと感じるのです。
それでも、仏法ほどこの世で大切な教えはないと思うと、この教えを自分が死んで、それで終わってしまったら、残念でなりません。
世の中の人たちは幸せになりたいと思いながら、どうしたら幸せになれるかも知らず、自分のやり方で幸せになれると思って間違った道を進んでいます。
それで人生の多くの時間を費やし、死んでゆくとなって、初めて自分の人生は何だったのだろうかと後悔の涙を流すのです。
真実は、真実を知る人から聞かなければ、自分でどんなに考えても分かるものではありません。
だから、せめてこの世に一人だけでも真実を伝える人が残り続けてゆく。そんなことが実現したらと思わずにおれません。
この一人が残り続けてゆくことがどれだけ大変なことか、仏法を伝えて行きながら、ヒシヒシと感じます。
でも、私にできることは仏法を伝えてゆくことしかありません。
残された時間を少しでも人に仏法を伝えてゆくことにかけてゆく。
その積み重ねしか、私の願いを叶える方法はありません。
真実は真実を聞いた人からしか伝えることはできない。
だからこそ、真実を伝えることに全力を注いでゆく。そして、自分のあとを継いでくれる人が現れることを願いながら生きてゆくしかないなあと思いました。