仏教の言葉に独生独死という言葉があります。これは人生というのは結局の所、生まれてから死ぬまで、孤独な旅をしているということです。
これは経典の中では、怒りの所に教えられているお言葉です。つまり、怒りを起こす人の人生は孤独で寂しい旅をしているということです。
私たちはつまらないことで腹を立てます。後から考えるとこんなことでどうして腹を立てたのかと思うようなことでも、怒りを起こします。
そして、怒った後は、悪いのは相手だと相手のせいにして、自分から謝ることはしません。
そうやって思い通りにならないと怒りを起こし、他人のせいにするから、心から人を信じることができず、いつも心は一人なのです。
また、怒りを起こさなくても、馬鹿にされたくないから、失敗しても下に見られたくないから、素直に頭を下げることができません。
頭を下げることができないから、やっぱり人を信じることができないのです。
人を信じることができないから、どんなに人に囲まれても心は孤独になり、寂しい心を抱えながら生きてゆかなければならなくなるのです。