人は必ず死ぬ。死ぬとこの世の色々なものを手に入れて、価値のあるところに立っている分だけ、執着を起こし苦しまなければならない。
人生、お金を得たり、地位や名誉、財産を得たら幸せになれると思っていますが、実際はこれらのものは死んで置いてゆかなければならなくなると苦しみを生み出すものばかり、幸せと思うものによって返って苦しむことになるのです。
しかも、手に入れたものを失って苦しむだけでなく、生きている時に自分だと思っていた自分そのものも死んでゆく時には消えてゆく。
それは本当の自分ではなかったからです。この時の苦しみは、手に入れたものを失う苦しみとは比較にならない苦しみであり、とても現実を受け入れることはできません。
そして、自分は何者かも分からなくなって真っ暗闇の中、せめて未来は明るい世界へゆきたいと儚い希望を持って、その希望も打ち砕かれると知らずに死後の世界へと飛び込んでゆくのです。
私たちは生きている時に本当の自分を見つけなければならない。そうしなければ、死によってすべてが消えてゆく中、明るく死んでゆくことはできません。
死とは最大の問題。その問題と向き合うことこそ、人生を真に真面目に生きることになるのです。