欲に流れることは楽しい。でも、欲に流れれば、流れるほど、欲に流れることができない時間が苦しくなる。
そして、何も楽しいことはないのに、心は欲を満たせるものはないか探している。
このいつも欲を満たせるものを探しているのは、本当は寂しいから。でも、本心では寂しいのに、寂しさを欲でごまかしているから。寂しいことに気づかない。それで欲を満たせば満たすほど、本心では、寂しさが溜まっていくから。欲を満たしているほど、欲を満たせなくなった時に苦しくなる。
欲は何も生まない。でも、欲を満たしている時には、そのことに気づかない。でも、それは欲を満たすことができない時に、やってくる。自分は何の為に生きているのか分からない。楽しいことなんてない。人生がつまらない。
そんな虚しい心になる。でも、それは今という時間が虚しい訳ではなく、欲を満たしている時に、心が感じていたものが、後になって出てきただけ。
この虚しさに耐えて、欲を満たすことを止めれば、苦しみはなくなり、穏やかな心になる。
人生は楽しいことがないから、つまらないのではない。欲に流れて不毛な時間を過ごしているから、つまらないのである。
それが欲を満たしている時に気づけたら、どれだけ人生が満たされるのに。
気づかないというのは、恐ろしいですね。