ウルグアイのとあるニュース番組で、「カマラ・セレステ」というウルグアイ代表に密着したコーナーがあります。 「空色(ウルグアイ)のカメラ」という意味なんですが、そこでレポーターを務めるのがラファエル・コテロ(通称:ラファ)という有名なユーモリスト。 日本でいうなら明石家さんまみたいなキャラなのかな?
記者ではないので、選手も気さくに笑顔でインタビューを受けています。
ここではブラジルワールドカップでイングランド戦を終えた直後の選手のインタビューをご紹介。
とりあえず役員は無視して、選手のインタビューだけ、ザックリどんな話をしているかを書きますね。
まず、トップバッターは“フチ”ことホルヘ・フチレ。 この試合では途中出場。
ラファ「一回アップしてたけど、それから交代取りやめになったじゃん。 でも同点に追いつかれたらまた、“さあ行くぞ”と言われたとき、正直“ヤメテー!“と思ったんじゃないの?」
フチ「いや、いつも厳しい場面が当たっちゃうんだけど、それがイイんだよ。 俺たちはそういう厳しい場面が大好きさ。」
ラファ「前回のワールドカップではお前、今回はパリート。 (ぶったおれてもプレーを続けたことに対して)」
フチ「あいつ俺の真似をしてるんだよ。 あれで俺が有名になったから、自分も真似してみようと思ったんじゃない?」
ラファ「あいつとしゃべった? “星が見えた”とか“鳥が飛んでた”とか言ってなかった?」
フチ「キツイ蹴りを食らったけど、あいつは強いから大丈夫さ」
ラファ「あいつ、ピッチの外に出されたらなんか怒ってたよな?」
フチ「あいつは普段はイイやつなんだけど、あのときはなんか怖かったよね。 あいつはときどき手がつけられなくなるんだよ。 でもとにかく今日は嬉しいよ。 今日はウルグアイのみんなも祝杯をあげて楽しんでもらいたい。」
二番手はスアレス。 記者に囲まれてマジメに答えているところに、乱入して茶々を入れる場面。 ラファが近づいてきたのに気づいたスアレスは話しかけられる前から笑いをこらえるのに必死。
ラファ「あいつ(スアレス)なんか俺を睨んでるな~」と隙を伺いつつ
ラファ「お前スンゴイゴール外したな」
スアレス「(爆笑)珍しいだろ。」
ラファ「あんなの外すやつおらんぞ」
スアレス「お前どこで試合見てたんだよ」
ラファ「40mくらい外れてたぞ。 ちょっと役不足だったか? 荷が重すぎたか?」
スアレス「ちょっと緊張してたもんで。 あと、もう足がしびれてどうにもならなかったんだよ。」
ラファ「ジェラードにパスのお礼を言ったかい?」
スアレス「勘弁して・・・」
三番手はGKのロドリーゴ・ムニョス。 愛称はポピ。
ラファ「どうした、あんまり嬉しそうじゃないな」
ポピ「そう見える?」
ラファ「ベンチで少し神経質になってたように見えたけど」
ポピ「そうかもしれない」
ラファ「叫んでたよ」
ポピ「色々悪態ついて、文句を言ってた・・・」
ラファ「昔のタバレス監督だったら怒られてたよ、間違いなく」
ポピ「ベンチで見ていても、自分たちがプレーしているみたいで緊張したよ。 今ようやく緊張から解き放たれたところさ」
ラファ「ロッカールームはすごいことになってたんでしょ?」
ポピ「想像してみてくれ。 すごかったよ。 でも地に足をつけないとね。 まだ次があるから」
ラファ「せっかくだからなんかちょうだい。」
ポピ「じゃあこのユニフォーム(下)を。」
続いて我らが偉大なキャプテン、ジュード・ロウにクリソツのディエゴ・ルガノ。(トタ)
ラファ「苦しい試合だったね」
トタ「そう見えた?」
ラファ「昨日の夜なんか辛かったんじゃない?(試合に出れなくて)」
トタ「辛かったけど、でもみんなを信じてたし、期待に応えてみんな頑張ってくれたよ。」
ラファ「膝の調子はどう?」
トタ「昨日よりはイイよ。 明日はもっとよくなると思う。」
ラファ「そのカバン、なんかダサくないか?」
トタ「これ空港でプレゼントでもらったんだよ」
次はフェルナンド・ムスレラ。(ネネ)
ラファ「チラベルトは国際試合でもゴールを決めてたけど、GKのアシストって珍しいよね。 (2点目について)」
フェルナンド「チラベルトのことは尊敬しているよ。 でも本当はあのキックはエディ(カバーニ)を狙って蹴ったんだ。」
ラファ「マジで? そうか、スアレスはケガしているから気を遣ったんだろ? ほれエディ、お前のほうが背が高いんだから、なんとかしろ、みたいな感じか?」
フェルナンド「そうそう、もう一人のヤツ(スアレス)はいつも前のほうで(おこぼれを)待ってるからな」
ラファ「ああ、あのチャンス与えたら確実に仕留めるヤツのことだな」
フェルナンド「その通り。 運よくジェラードに当たって、モンスター(スアレス)の前に流れていったよ。」
ラファ「あれはお前のアシストとして記録されるんじゃない?」
フェルナンド「いや、多分ジェラードのアシストになるんじゃない?」
ラファ「もう一人のGK(ポピ)はユニフォームをくれたんだけど、お前は何をくれるの?」
フェルナンド「ナタル(次のイタリア戦が行われる場所)で何かあげるよ。 準備しておく。」
最後にマタドール、エディンソン・カバーニ。 しかし満面の笑みだな、エディ。
ラファ「最初のパス(1点目)がスアレスに通ったとき、どう思った?」
エディ「パスのコースがDFと被ってたから、(反応するのが)難しいかなと思ったけど、ルイスが上手く当ててコースを変えたのが見えたから・・・」
ラファ「その瞬間、あのバカやりやがったぜ!と思ったんだろ?」
エディ「そうそう。 おかげでみんなハッピーさ。 この試合が難しいのはみんなわかってたし、彼(スアレス)にとってもこの試合に出ること、ここに来るまでが大変だったからね。 そして結果を残すんだから、只者じゃないよ。」
ラファ「しかしお前スゴイな、お前だけだぞ、未だにブラックベリー使ってるの」
エディ「おいおい、(ブラックベリーの)宣伝しないでくれよ。 だって(携帯も)お金かかるからさ~。」
ラファ「俺の母ちゃんがお前のこと愛してるんだよ。 彼女にキスを送ってあげてくれよ。 60才近いんだけどさあ。」
エディ「名前はなんていうの」
ラファ「ナンシー」
エディ「ナンシー、キスを送るよ。 熱い抱擁も。 そして今のこの瞬間を僕たちと同じように楽しんでくれ。」
ちなみに2010年南アフリカワールドカップの準々決勝ガーナ戦でひどい落ち方をしたフチレの映像。 これはヤバイぜ・・・よくこんなのでプレーを続けることが出来たな・・・