800年前の法然上人は、それまでの仏教を、「編集」し直したんだ、という主張に納得。
法然の生涯をたどり、思想の形成プロセスを検証していく第1部「法然の選択思想を読む」は、わかりやすさの点で、秀逸だと思いました。
個人的におもしろかったのは、町田宗鳳さんとの対談。
3.11と法然。と題する第三部。
町田さんは、法然の口称念仏に空海の口密(真言=マントラ)との関連をみている。(P165)
もうひとつ。
法然上人は、観想念仏ではなく、口称念仏を立てたけれど、上人ご自身は、観法にたけている、という見方。
「・・・・幻視体験であり、神秘体験ですね。それが確固たる自信につながっている。法然さんは他人には「この修行はやる必要はない」と言っているけれど、自分自身は死ぬまで続けている」
(P168)
さらに、念仏は身体感覚、身体行動なんだという指摘。
かつては、歩くという行為をはじめ、実によく体をつかう時代であった。身体を使うことは、思想を深めていくこととの条件であった。
「法然さんは声の力に注目して、それを何万遍もリピートすることによってイマジネーションを促進した。 (P172)
法然上人の教えを考えるとき、「ああそうか」 「なるほど」という感じで受けとめられることが大切と思った次第でした。