『沖縄武道空手の極意その弐』の72頁、H「手之内を締める」の解説で、
重要な誤植を発見したので訂正させてください。
すこしだけ文章も校正しました。
チョコットは、解りやすくなっているかしら?
先ずはこの本文の写真をご覧になってください。
今まで、「折る」とか「割る」とかの用語が多かった正拳突きが第16回セミナーで変わった話です。
この「折る」とか「割る」は、第16回セミナー以降、「縮める」とか「締める」に変わりました。
無想会の正拳突きは、殴りません。刃物で刺すイメージです。
したがって、拳で殴らないので、それまでは、拳頭が目標に当たり辛い感じでした。
人差し指の第二関節とか、中指の第二関節とかが目標(例えばマガジンパッド)に当たる事が多い。
ですから、結構、指が痛いです。
我々弟子たちは、マガジンパットを叩きながら、手が血だらけ。
大阪のワイ先輩がもたらした、「パッド付マガジンパッド」が登場するまでは、
人差し指から破けていました。
そこで、新垣師範は、考えたようです。
自分の突きは拳頭が当たるのに、何故弟子の突きは人差し指が当たるのか?
そして、判明したのは、新垣師範は、「手之内」を縮めているのに、
弟子たちは「手之内」を割っているということでした。
「手之内」を縮めながら小指から畳むと、落とすだけで、目標に拳頭が当たる。
「手之内」を割りながら小指から畳むと、人差し指が拳頭の先につき出たまま。
そこで、第16回セミナーの「手之内の締め」で修正されました。
実際に、「割る」を「縮める」と「締める」に変えて、
手の甲の筋肉と掌の筋肉を親指側と小指側から縮める訓練を続けていると、
なんだか手の甲が平らになってきました。
それにプラスして、広背筋を利かすのは二の腕までと意識します。
広背筋は前腕・掌の影響を受けないため緩みません。
前腕のトルクは、前腕のトルクとして分割します。
正拳は、「手之内の締め」で縮めます。
正拳、前腕、二の腕、を分離して別々の動きとして鍛え、統合する。
細分化して総合化するのは、沖縄空手の稽古方法としては普通ですが、
突く時に繋げて腕を棒状にするのを、再分離して、身体操作を変えるのも、
第16回沖縄空手セミナーで、新垣師範から改めて伝えられた原則です。
「この「手之内を締める」とは、「斬り手」や「谷合わせ」と同じように日本剣術の用語からの借用である。
なぜなら、「沖縄空手には身体操作を表すさいの、名詞的用法は皆無に等しい。」
でも新垣師範以降「等しかった。(過去形)」になりましたね。
拳を握り込むな。指を、折り畳むのだ。これは説明済みですね。
伸筋のみで打つ最速の突きに、屈筋でのチンクチはブレーキになる。
拳を握り込むとチンクチが掛かってブレーキがかかる。
最後の最後まで、ブレーキを掛けずに、関節をぶつけながら更に加速する。
読者には理解不能かもしれませんが、理念だけは受け取ってください。
で、どのように折り畳むのかが、72頁の写真です。
小指から順々に折り畳みますが、先ずは掌を親指側と小指側から縮めることでスタートです。
割るとか折るじゃなくて「縮める」ですからね。
最後の最後に手の内を締めて拳頭を送り出します。
それが、掌にウズラの卵を潰さない隙間を生み、拳頭が相手に向かって落ちる秘訣です。
最後に、昔手(ムカシディー)には、危険な技があり、糸洲安恒先生が、安全に学べるように変えた。
でこの項を終わりにします。
解説シリーズ総集編はこちらで購入できます。