「トリック劇場版2」
2006年6月10日公開。
脚本:蒔田光治
監督:堤幸彦
キャスト:
山田奈緒子
- 読み - やまだ なおこ
- 演 - 仲間由紀恵(少女時代:塚本璃子(現・成海璃子))
自称”超売れっ子(巨乳の)美人マジシャン“。夢はラスベガスの大ステージに立つことであり、偉大なマジシャンであった父に追いつくことを目標にマジックの道に入り上京した。得意なマジックは、トランプマジックとゾンビボール。星座は蟹座。
黒門島出身(シャーマンの家系、黒津本家側)で長野在住の書道家の母・里見と天才マジシャンの父・剛三(故人)を親に持つ。黒門島関係者からは、母親ゆずりの強いシャーマンの力を受けついでいるとされている。
極めて粗忽でよく躓いて転んだり、穴に落ちる。好奇心旺盛かつ天邪鬼なため、痛い目に合うことがある。行儀も悪い。
銀行口座も持っておらず、社会的な信用は全く無い。妙に見栄っ張りなところがある。倫理観は一般の人と若干異なる。
携帯電話は所持していないが、かける相手がいないのでアパートの固定電話だけで間に合っている。
かけてくる相手は大半が上田からで、後はたまに、実家の母・里見から掛かってくる程度である。
生活が苦しいこともあるが、金銭欲が激しく時に犯罪に手を染めることもある。
また、食べ物に対する執着にも凄まじいものがある。
インチキ霊能力者らと対決するのは、尊敬していた亡き父が生前、超能力者、霊能力者の存在を否定し彼らのインチキを暴いていたからで、彼女はその性格と意思を受け継いでいる(正義感によるものではなく父との唯一の絆のように思っているからである)。
霊能力者らと対決する際は普段と打って変わって、観察力が冴え、マジックのトリックを応用した数々のインチキな霊能力を見破っている。
しかし、母のインチキ商売や論理的な問題、または黒門島絡みの事件の時には全く歯が立たない。
これらの問題に関しては大抵、上田があっさり解決する。
上田次郎
- 読み - うえだ じろう
- 演 - 阿部寛
日本科学技術大学(通称:日本科技大)理工学部の教授。専門は物理学。自称IQ240。
拝島(東京都昭島市)出身。
1965年11月4日生まれの蠍座。東京都世田谷区奥沢9丁目3番12号自由が丘マンション106(実在しない)。
- 特技
- 特技は通信教育で学んだ空手(自称・免許皆伝レベル)、柔道、相撲といった格闘技であり、大人数の敵を圧倒してしまうほどの強さを誇る。
- フランス語や四則演算の暗算、ヒューズ取替え検定一級など、奇妙な免許やスキルを会得している。
- 「何故ベストを尽くさないのか?」(上田の著書のタイトルで座右の銘でもある)と言われると普段以上の力が出る。
- 論理パズルや確率演算などには滅法強く、専門知識を活かしてトリックを見破ったことも多々あるが、大概はトリックに嵌った後の話。
- その他、劇中ではあまり強調されていないものの、奈緒子ですら見抜けなかった犯人(もしくは依頼人)の真意を看破するなど、たびたび高い洞察力・観察力を発揮している。
- 性格
- 傲慢を絵に描いた人物。自身を「世界一の天才」「歴史的天才」「セレブ」と称する重度のナルシスト。
- 単純明快で他人の言うことをすぐ真に受けてしまう。
- 中でも若くて綺麗な女性に弱く、シリーズを通して何度も利用されている。
- だが、負けず嫌いで非を認めたがらず、自分が判らない事柄を奈緒子があっさり解決すると知ったかぶりをする傾向にある。
- 山田里見(やまだ さとみ)
- 演 - 野際陽子
- 奈緒子の母。沖縄の“黒門島”でシャーマンとして過ごしていたが、剛三が現れ、親が勝手に決めた婚約者との結婚式当日に、崖から飛び降りたふりをして、ボートで島を抜け出す。
- 長野県の山の中で過ごしながら、子供たちに書道を教えている。
- 書道では子供たちに自由に書きたい言葉を書かせている。
- 娘に代わって事件を解決したこともあり(妖術使いの森)、その時の決め台詞は「全部ごりっとお見通しだ!」であった。
- 一見穏やかな生活を送っているようで、実は夫を殺害した黒津分家一族ら黒門島の人々に対して恨みを秘めて復讐の機会を窺っていた(実力行使こそしなかったものの復讐のために実の娘まで利用したのではと上田は推測している)。
- 身一つで上京していった奈緒子を常に心配している。所用で上京した際、奈緒子の家に泊めてもらおうとするがマンション暮らしと見栄を張っていた奈緒子が困り果てた末、上田のマンションに連れてゆく。娘の元気な姿に安心して帰ってゆく。
- ただし二人の関係は、欲の皮の張った奈緒子に木の棒で頭を叩かれ、「神の象の像」を強奪された上、「強欲なアレ」呼ばわりされて以来、変化が見られる。
- 時折何かを予感することもある他、洞察力も鋭い。何かと奈緒子と上田の行く先で遭遇する。
- 初登場時の髪型はボブ・カットであったが、第2シリーズ以降は野際の定番キャラの結った髪型になっている。
筐神 佐和子
演 - 片平なぎさ
物や自らを天界と地上を自由に行き来出来るという霊能力者。教団「命運共同体 箱のゆーとぴあ」の中心人物。
通称佐和子様。
3年前に幹部らと島を訪れ、住人に追い出されそうになる。
だが、手も触れずに巨大な岩を崖の上まで移動させるという霊能力を住人に見せつけたため、筺神島を支配している。
- 西田 美沙子
- 演 - 堀北真希 (少女期:越井真優)
- 10年前に富毛村から行方不明になった少女。村の沼に落ちて亡くなったとされていたが、和彦に宛てた手紙の内容から筺神佐和子に筺神島に連れ去られた事が判明した。上田を「素敵な殿方」と呼んで慕う(その際、目からは星が流れ出ている。一度「お父さん」や「ちょいワル親父」と呼んだことも)。
- 青沼 和彦
- 演 - 平岡祐太 (少年期:塩野魁土)
- 富毛村の小さな建設事務所に勤めている青年。10年前に行方不明になった美沙子を筺神島から連れ戻すよう、上田に依頼してくる。
- 赤松 丑寅
- 演 - 綿引勝彦
- 富毛村村長。
- 話し方が回りくどく、会話の端々に「〜やら」という単語が登場する。
- 佐伯 周平
- 演 - 上田耕一
- 教団「箱のゆーとぴあ」幹部信者。ピアノが弾けそうだが弾けない。
- 佐和子の側近でもあり、「佐和子様」と呼んで崇めている。
- 伊佐野 銀造
- 演 - 北村有起哉
- 「箱のゆーとぴあ」信者。元々は筺神島の住人で、佐和子の霊能力を信じていなかった。
- 島を訪れた奈緒子らの世話係。
- 山崎箱一
- 演 - 城後光義(ゆーとぴあ ホープ)
- 「箱のゆーとぴあ」幹部信者。
- 山崎箱二
- 演 - 帆足新一(ゆーとぴあ ピース)
- 「箱のゆーとぴあ」幹部信者で、箱一の弟。
- 吉田 美津子
- 演 - 重泉充香
- 「箱のゆーとぴあ」信者。夫を交通事故で亡くした過去をもつ。
- 二世代ローンが気になる村人
- 演 - 有吉弘行
- 途中でいなくなった村人
- 演 - 山崎樹範
- 原因不明の病で倒れた現場監督
- 演 - 温水洋一
- 大仁田厚
- 演 - 大仁田厚(政治家としての本人役)
- マジシャン
- 演 - マギー司郎
あらすじ:
筐神島は、関東沖合に浮かぶ小さな島である。
山の頂上にはなぜか巨大な岩が乗っている。
この島を支配する霊能力者・筐神佐和子(片平なぎさ)が一人でたった一晩のうちに持ち上げたものだという……。
ある日、上田(阿部寛)の研究室に、上田の著書『どんと来い、超常現象』を手にした青年・青沼が訪ねてくる。
10年前、筐神佐和子に連れ去られた幼馴染みの美沙子という女性を取り戻して来て欲しいというのである。
一人では怖い上田は、例によって奈緒子(仲間由紀恵)を巻き込み、佐和子とその信奉者が待ち受ける筐神島へ向かう。
「浮遊する巨大な岩」「瞬間移動」そして「消失する村」。
二人の目の前で驚愕の奇蹟が次々と繰り広げられる。
これは筐神佐和子の霊能力か、それともトリックなのか。
一方、奈緒子の母・里見(野際陽子)は“文字の力”を武器に選挙に挑み、刑事・矢部(生瀬勝久)は部下を引き連れてある事件を追っていた。
コメント:
仲間由紀恵と阿部寛扮する名コンビが怪しげな超常現象に挑む人気シリーズ「トリック」の劇場版第2弾である。
2時間ドラマの女王・片平なぎさをゲストに迎え、霊能者に支配された島に山田奈緒子と上田が乗り込む。
阿部寛扮する上田の研究室に青沼と名乗る青年が訪ね、10年前、霊能力者・筐神佐和子に連れ去られた幼なじみの美沙子を救って欲しいと相談する。
上田は当然のように奈緒子を巻き込み、佐和子の君臨する小さな島・筐神島に上陸する。
奇術師を装う山田奈緒子と、石頭の天才物理学者・上田次郎のコンビが例によって、奇妙奇天烈な相手と戦いを繰り広げている。
馬鹿馬鹿しいのに、見始めるとその展開の面白さとぶっ飛んだやり取りに腹を抱えて笑ってしまうことになる。
堤監督と仲間由紀恵、阿部寛のコンビネーションの秀逸さがハンパない。
さらに、片平なぎさを筆頭にゲストたちの熱演も光っており、テレビドラマを超越した作品になっている。
いよいよ円熟してきて最高!
堀北真希が可愛い。
当時まだ17歳だったが、すでに2年前に映画デビューしている。
仲間由紀恵が演じるヒロイン・奈緒子の母親役として、またしても野際陽子が登場してくる。
この人がこんな面白い存在感のある役が似合うとは思わなかった。
実に多彩な美人女優だった。
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