ロバート・デ・ニーロの映画 「ゴッドファーザーPART II」 アカデミー賞助演男優賞獲得! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「ゴッドファーザーPART II」

 

 

 

「ゴッドファーザーPART II」 殺しのシーン

 

「ゴッドファーザーPART II」 プレビュー

 

1975年4月26日日本公開。

興行収入:8億1900万円。

 

 

『ゴッドファーザー』の続編。

前作の後日談であると共に前日談に相当する。

第一作でコルレオーネ・ファミリーを継承したマイケル・コルレオーネのその後を語る。

同時に、若かりし頃のヴィトー・コルレオーネが力を手にして浮上していく様を丁寧に描く。

 

 

主な受賞歴:

 

アカデミー賞

受賞
アカデミー作品賞:フランシス・フォード・コッポラ/グレイ・フレデリクソン/フレッド・ルース
アカデミー監督賞:フランシス・フォード・コッポラ
アカデミー助演男優賞:ロバート・デ・ニーロ
アカデミー脚色賞:フランシス・フォード・コッポラ/マリオ・プーゾ
アカデミー美術賞:ディーン・タブラリス/アンジェロ・グラハム/ジョージ・R・ネルソン
アカデミー作曲賞:ニーノ・ロータ/カーマイン・コッポラ
ノミネート
アカデミー主演男優賞:アル・パチーノ
アカデミー助演男優賞:マイケル・V・ガッツォ/リー・ストラスバーグ
アカデミー助演女優賞:タリア・シャイア
アカデミー衣装デザイン賞:テオドラ・ヴァン・ランクル

英国アカデミー賞

受賞
主演男優賞:アル・パチーノ
ノミネート
アンソニー・アスキス賞:ニーノ・ロータ
編集賞:ピーター・ツィンナー/バリー・マルキン/リチャード・マークス
新人賞:ロバート・デ・ニーロ

ゴールデングローブ賞

ノミネート
作品賞 (ドラマ部門)
監督賞:フランシス・フォード・コッポラ
主演男優賞 (ドラマ部門):アル・パチーノ
脚本賞:フランシス・フォード・コッポラ/マリオ・プーゾ
作曲賞:ニーノ・ロータ
新人男優賞:リー・ストラスバーグ
 

 

スタッフ:

脚本:

マリオ・プーゾ
フランシス・フォード・コッポラ

監督:フランシス・フォード・コッポラ

音楽:ニーノ・ロータ/カーマイン・コッポラ

 

 

主なキャスト:

ドン・ヴィトー・コルレオーネ
演 - ロバート・デ・ニーロ
9歳の時に両親と兄を地元のボスであるドン・チッチオに殺害され、命からがらニューヨークに逃亡してくる。当初はリトル・イタリーの食料品店で働く一介の店員であったが、嫌われ者である恐喝屋のドン・ファヌッチを殺害して周囲の信頼を獲得し、友であるクレメンザとテッシオと共にマフィアのボスとしてのし上がっていく。
 
マイケル・コルレオーネ
演 - アル・パチーノ
ヴィトーの三男でありコルレオーネファミリーのボス。ユダヤ人のボスであり、父の盟友であったハイマン・ロスやフランク・ペンタンジェリと暗闘を繰り広げる。ファミリーを守るためには手段を選ばす、立ちはだかる敵を冷徹かつ徹底的に排除していくが、その過程で人間性を喪失し、冷酷な人物に変貌していく。
 
フレド・コルレオーネ
演 - ジョン・カザール
ヴィトーの次男。心優しいが気が弱く、おおよそマフィアには向いていない。コルレオーネファミリーのアンダーボスではあるが、使い走りのような仕事ばかり任されているなど、実際の立場はかなり低い。有能である弟のマイケルに対して劣等感と嫉妬心を抱いており、妻であるディアナとの仲もうまくいっていない。ロスの部下であるジョニー・オーラの差し金で弟を裏切り、ファミリーを窮地に陥れる。母の死後は弟と和解したかに見えたが、最後はアル・ネリにタホ湖で粛清される。
 
トム・ヘーゲン
演 - ロバート・デュバル
コルレオーネファミリーの弁護士。ボスであり義兄弟のマイケルに命の危険が迫った際には家族と跡目を託される程信頼されている。ファミリーの強大化及び敵の排除に大きく貢献するが、冷酷な人間に変貌していくマイケルに困惑もしている。
 
ケイ・アダムス・コルレオーネ
演 - ダイアン・キートン
マイケルの妻。夫との間に長男のアンソニーと長女のメアリーをもうけるが、次第に冷酷なマフィアのボスに変貌していく夫についていけなくなり、遂には妊娠していた次男を中絶して離婚してしまう。
 
コニー・コルレオーネ
演 - タリア・シャイア
ヴィトーの長女でありマイケルの妹。夫であるカルロを殺害したマイケルを恨んでおり、当てつけるかのように育児を放棄し、兄の意に添わぬ結婚を繰り返すが、母の死後にマイケルと和解し、フレドを許すよう懇願する。
 
カルメラ・コルレオーネ
演 - モーガナ・キング(若年期:フランチェスカ・デ・サピオ)
ヴィトーの妻であり、ソニー、フレド、マイケル、コニーの母親。夫や子供の仕事には口を出さないが、若い頃は大家に追立てられそうな近所のコロンボ夫人を夫に紹介するなど内助の功を発揮する。

ハイマン・ロス

   演 - リー・ストラスバーグ

       コルレオーネファミリーの敵。マイアミの大ボス。

 

 

あらすじ:

ドン・マイケル・コルレオーネ(アル・パチーノ)は、根拠地をニューヨークから西部のネバダ州タホー湖畔に移していた。

近くに収入源のラスベガスが控えていたからだ。

マイケルは、ことあるごとに父ビトー・コルレオーネの偉大さを思うのだった。

---/ビトーはシシリー島で生まれた。

ビトーが9才のとき、父と母と兄が土地のマフィアの親分チッチオに殺された。

彼は村人にかくまわれ、移民団の群れにまじって単身ニューヨークへ渡った。

1901年のことだった。ニューヨークに着いたビトーは天然痘の疑いで3ヵ月間病院に入れられた。

---/1958年。

タホー湖畔にある教会ではマイケルの一人息子アントニーの聖さん式が行われていた。

ビトーが死ぬ直前、一緒に庭で遊んでいた幼児がアントニーである。

城のような大邸宅では大パーティが催され、マイケル、妻ケイ(ダイアン・キートン)とアントニー、ママ・コルレオーネ(モーガナ・キング)、マイケルの兄フレドー(ジョン・カザール)、その妻、妹のコニー(タリア・シャイア)とその恋人(トロイ・ドナヒュー)、相談役トム・ヘーゲン(ロバート・デュヴァル)などの顔が見える。

パーティが終わり、その夜、マイケルの部屋に何者かが機関銃を乱射した。

犯人はマイアミの大ボス、ハイマン・ロス(リー・ストラスバーグ)の腹心ロサト兄弟だった。

---/リトル・イタリアで成長したビトー(ロバート・デ・ニーロ)は、あらゆる職業を経て、次第に頭角を現し、移民の信望を集めるようになってきた。

彼のもとには弱い人々がさまざまな願いをもって訪れる。

その街を牛耳る悪玉ボスのファヌッチを仕とめたのは町をあげてのお祭りの夜だった。

---/マイケルはハイマン・ロスと一対一で会い、自分を襲ったロサト兄弟と、その事件に内通したペンタンジェリ(マイケル・ヴィンセント・ガッツォー)を処分することを宣言した。

ペンタンジェリはコルレオーネ一家の古参だったが、マイケルのやり方に不満を抱えていた。

そんなペンタンジェリにマイケルはロサト兄弟と手打ちをするように指示する。

ロサト兄弟のバックにいるのがハイマン・ロスだと見抜いていたマイケルは、彼の油断を誘うべく計画を練っていたのだった。

しかし手打ちの場所でペンタンジェリは暗殺されそうになるが、一命を取り留める。

更に驚くべきことに、兄のフレドーまでもが、コルレオーネ家の情報をハイマン・ロスに流していた。

そんなある日、マイケルは、犯罪調査委員会に呼び出されたが、マフィアについてのあらゆる容疑を完全に否定した。

委員会側はそれを偽証だとしてペンタンジェリを証人として呼んだ。

ペンタンジェリはマイケルにはめられたと思い込んでいたのだった。

マイケルはペンタンジェリの肉親を傍聴席に呼び、彼の証言を封じた。

その夜、妻ケイはマイケルに離婚話をもちだした。

マフィアの恐ろしさと、子供の将来を想う気持ちからだった。

---/ビトーと妻との間には4人の子供が出来た。

汽車がシシリー島のコルレオーネ村に着き、多勢の村人が一家を迎えた。

ビトーは両親の仇、チッチオを襲って、自分の手でチッチオの腹を十字に刺して殺した。

---/ママ・コルレオーネが病気で死んだ。

ニューヨークに隠れていたフレドーも呼び戻された。

葬儀のあともフレドーはタホー湖畔にとどまって幼いアントニーと遊んだ。

フレドーはマイケルに許されていると思ったのだ。

だが、船で湖へ釣りに出たところを、マイケルの命令で殺された。

初老に達したマイケルは、一人湖畔の椅子に座り、亡き父ビトーの愛情に充ちた偉大な生涯を想い、自分の孤独に胸を痛めるのだった。

 

 

 

コメント:

 

青年時代のヴィトーを演じたロバート・デ・ニーロは当時無名だったが、前作でソニー役のオーディションを受けていた。

役のイメージとは合わずに最終的に起用されなかったものの、コッポラ監督はデ・ニーロの存在感や演技力を心に留めていた。

その後マーティン・スコセッシ監督の『ミーン・ストリート』のデ・ニーロを見て、コッポラは彼こそヴィトーの青年期を演じるのにふさわしい俳優だと確信し、デ・ニーロを抜擢した。

その判断通り、デ・ニーロは絶賛され、アカデミー助演男優賞を受賞、ほとんど英語を話さずにオスカーを獲得した珍しい例となった。

前作で晩年のヴィトーを演じたマーロン・ブランドは主演男優賞を受賞している(後に拒否)。

青年期と晩年という違いこそあれ、同じ人物を演じてオスカーを得た俳優は、ブランドとデ・ニーロの二人のみである。

 

 

2001年に発売されたDVDの監督解説の中で、監督であるフランシス・フォード・コッポラは、作品のタイトルに「Part II」を使用した大作映画はこの作品が初めてだと述べている。

パラマウント映画は当初、映画の名前を『ゴッドファーザー PART II』にしようというコッポラの案に反対していた。

コッポラによれば、映画スタジオはそのような題の映画は観客に避けられるだろうと思って反対したと言う。

既に前作の『ゴッドファーザー』を見た観客は、原作にはもうほとんど追加するものがないと感じるだろうというのがその理由である。

本作品の成功により、続編にナンバーをつけるのはハリウッドの伝統となった。

 

ゴッドファーザーシリーズはどれもすばらしいが、その中でもパートIIほど、切なく、格調高い映画はない。
パチーノとデニーロの直接的ではない共演で、2本分のパワーが込められているように感じる。
ファミリーを守ろうとしてファミリーを失ってしまう苦悩が描かれている。

ストーリーの展開も、しっかりと作り込まれており、わかりにくい部分はほぼない。
音楽がとてつもなく素晴らしい。見終えた後、しばらく、放心したような気持ちにさせられてしまう。


このシリーズは、必ずシチリアへの帰郷が描かれる。
これが良い。

単なるアメリカでのドンパチだけでない深みと哀愁がある。

これがゴッドファーザーの一番の違いだ。

 

ロバート・デニーロは、この作品で一躍世界のスターとして名を成した。

まさに「ゴッドファーザーパートII」こそ、デニーロの出世作だ。

徹底した役作りの名人として、この後もヒット作品を作り続けている。

 

「ゴッドファーザー愛のテーマ」はこちら:

 

The Godfather Main Title Theme - André Rieu (Live in Italy)