現れた「彼」ナシェル君は、写真よりも繊細そうで、やっぱり美しい男の子だった。
まつ毛長すぎやろ!
お目目もでかすぎだし。
ありきたりの表現ですが、少女マンガ(チョイ昔の)から抜け出したような青年が、
不安そうにこちらを見ている。
「ナシェル君?」
と私が尋ねると、彼は少しほっとした様子で、こちらに歩いてきた。
「本当に来てくれるのかって、ちょっと心配でした。あと・・・」
「綺麗な人で良かった」
お世辞とわかっていても、褒められるといい気分になる。・・・でも、なんだか素直に受け取れない。
「本気で綺麗な人間に褒められると、うれしいけど複雑」
「ははは」
「きれいとか、かっこいいとか言われ慣れてるでしょ?」
「謙遜しても嫌味っぽいって言われるから、素直に認めることにしています。関西人だし」
笑った顔も、さわやかだった。
・・・まぶしいなぁ。とアラフォー女な私は目を細める。