乳腺腫瘍 | 草村動物病院 「動物の診察室から」

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新潟市の草村動物病院のブログです。
高度獣医療のこと、日々の診療で思うこと、動物たちのことなど書いていきます。

 乳腺腫瘍はとても多い病気です。

 猫の場合には、ほとんどが悪性ですので、乳腺にしこりを見つけたらなるべく早く切除をした方よく、早期に切除をしても、肺や神経に転移することもよくあります。

 犬の乳腺腫瘍は半分が良性で、半分が乳癌です。

 昨日もビーグル犬のグミちゃんの手術でした。グミちゃんは8歳になりましたが、今年の4月に首の椎間板ヘルニアで初めて私の病院を受診しました。

 首のヘルニアは手術で良くなったのですが、その時に乳腺にしこりがあることが分かり手術です。グミちゃんは不妊手術をしていなかったため、卵巣もその時に摘出しました。

 おとといは、チワワのベリーちゃんです。

 ベリーちゃんも8歳で不妊手術を受けていなく、一緒に生活している2頭のチワワちゃんと、3頭一緒に不妊手術の予定で入院しました。

 しかし、他の2頭の子達は乳腺にしこりはありませんでしたが、ベリーちゃんの乳腺にはしこりが見つかりました。

 2頭の子達は普通の不妊手術でしたが、そのうち1頭のこの子宮は普通より大きくなっており、子宮の中に液体がたまる、子宮水腫を起こしていました。

 女の子が不妊手術を受ける理由は、年を取って卵巣があると、子宮に膿がたまる子宮蓄膿症になる確率がかなりあるのです。

 また、卵巣がない子に比べると乳癌の発生率もかなり高くなります。

 そのため、小さなうちに卵巣を摘出した方が良いとされているのです。

 ベリーちゃんの飼い主様はそのこともあり、8歳になってしまいましたが、チワワちゃん達に不妊手術を考えました。

 しかしベリーちゃんはすでに乳腺にしこりがあったため、乳腺の摘出手術を行いました。

 経過は良好ですぐに退院できる予定です。





昨日手術のグミちゃんです。







おととい手術のベリーちゃんです。