◎ボビー・マクファーリンとランチ (パート2) | 吉岡正晴のソウル・サーチン

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◎ボビー・マクファーリンとランチ (パート2)

【Lunch With Bobby McFerrin (Part 2)】

(昨日のブログからの続き)

ルイス・ケイトーとランチの約束をしていたらそこにボビーと娘さんも参加。一緒にスシを食べることに。食事が終わり、ホテルへ向かう帰り道、ボビーは僕の車に乗ることになった。

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車内。

食事が終わり、ホテルに戻ることに。帰りは僕の車にボビーとマディソンが乗ることになった。僕は頭の中で何を話そうか、必死に考えていた。

ボビーが前の座席に、つまり僕の助手席に、マディソンは後ろに乗った。ボビーは乗ると、シートを少しだけ後ろにした。ちょっと前が狭かったのだ。

車のステレオにはその週にやってくるリヴ・ウォーフィールドのCDが入っていた。エンジンキーをオンにして音が流れるやいなや、「これは誰だ?」と訊いてきた。

「リヴ・ウォーフィールドだ。今週、あなたたちのあとにブルーノートにやってくるアーティストだ。プリンスがプロデュースしている」

「おおっ、そうか」

「彼女に会ったことはある?」

「ないなあ」

車に乗ったときに、カーステレオから流れてくる音楽にすぐに「これは誰だ?」と訊いてくるミュージシャンは少なくない。常に新しいもの、自分が知らないものにどんよくに食いついてくるのだ。

ボビーはウィンドーを少し下げた。

「フレッシュエアをいれたいんだ」

「初日のライヴで『ホール・ワールド』をみんなに歌わせてましたが、みんなどこでもあんなに歌うんですか?」

「ああ、マイケルだったな」 ボビーはいきなり、その客席から歌った男の名前を口にした。

「えっ、あの歌ったのは、友達だったんですか?」

「いや、ただ彼はそう言ってた。名前を覚えていただけだ」

「イギリスかどこかからって言ってましたっけ?」

「なんか、そんなあたりだ」

たぶん、世界中であの曲を観客に歌わせるのだろうが、それを前日歌った人の名前を覚えている、ということに驚いた。まあ、1か月後には忘れているのかもしれないが…。

僕は以前2004年に文京シヴィックホールで行われたライヴ・コンサートの最後で質疑応答があり、僕が質問したことを思い出し、それを話した。

「最後に質疑応答がありましたよね」

「ああ、やった」

「そのとき僕はあなたに質問しました。僕の質問は、あなたは『絶対音感(パーフェクト・ピッチ)』を持っていますか、というものでした。そこであなたは、『非絶対音感(インパーフェクト・ピッチ)』だと答えたんです。ふつうは、「相対音感だ」って答えるでしょう。だから、すごく印象に残ったんです」

「そうだったかもしれない…」

するとマディソンが「それもよくある質問ね」と言ってきた。「みんなに訊かれてるわね」

「ほかによく訊かれる質問ってなんですか」

「う~~ん」と少し眠そう。「部屋に戻ったら、ナップ(ちょっと寝ること)ですか」

「そうだな」 ちょうどおなかいっぱいになり、車内も暖かく、いい感じになっていた。

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FAQ。

「そう、よくある質問って、たとえば、『音楽とはあなたにとって何ですか』なんて質問でしょうか」

マディソン。「ああ、それもよく訊かれてる(笑)」

「で、あなたの答えは?」

少し考えて、ボビーはゆっくり答えた。「音楽は僕のリソース(原資、資源)だな。それがなければ僕は息ができない、生きていけない、そういうものだ。それを元に僕が息をして、血がまわり、自分が生きていく、そういうリソースのようなものだな」

なるほど。まさにその通りだと思った。すると彼が訊いてきた。

「君は子供はいるのか」

「いえいません、あなたは?」

「3人いる、マディソンが末っ子で、真ん中のジュヴォンは『モータウン・ミュージカル』に出てる」

「ええっ、『モータウン・ミュージカル』は先月あたり終わったんじゃなかったでしたっけ、見に行きたかったんですよ」

「そう、終わった、またやるよ」

「あなたも見たんですか?」

「何回か見たよ」

「盛り上がるでしょう」

「盛り上がる」

「オーディエンスは、みんなあらゆる曲を一緒に歌うんでしょう。あなたはモータウンの曲は歌わないんですか」

「僕はステージでは歌わないかな」

「もうひとりの上の子(テイラー・マクファーリン)は、自分でCDも出してるよ。末っ子のマディソンは、僕のツアーにずっとついてきてくれている」

「もう、今日が最後のステージで、明日、帰ってしまうんですよね」

「そうだ」

そうこうしているうちにホテルに到着した。

「お会いできて光栄でした」

「サンキュー・フォー・ランチ、今夜(ライヴには)来るんだよな。シー・ユー・ゼア」

ロビーに到着したらルイスたちは先に着いていてすでに部屋にあがっていた。



左手前、ベースの村田君、ソウル・サーチャー、ルイス・ケイトー、通訳わかさん、右側手前から、エンジニアのダン・ヴィカリ、ボビー、マディソン


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再度。

なんとか思い出して書いたのだが、だいたいこんな感じだったと思う。

それにしても、ルイスは毎日昼夜スシを食べてもいいというほど。ボビーもかなりスシ好きだった。スシがコネクトしてくれたサプライズだった。

ルイスは言った。「僕はハンバーガーは1年に1回か2回しか食べないなあ。でも、次回はその1回を君の(お勧めの)店に行こう」 次回は5月末のジョン・スコフィールドでまたやってくる。コットン・クラブ、ブルーノートだ。

ルイス、サプライズなランチ、ありがとう!

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2014年にニューヨークで行われたライヴ。今回の『スピリチューオール・ツアー』のフル・サイズのもの
(約1時間57分)
https://www.youtube.com/watch?v=nlS223mciqY



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