ずいぶん前になりますが、

匪石が開業間も無く往診治療にも精を出して

何軒かしていた時の話。

健康保険を用いての寝たきり老人の往診というのが

あるのですが、保険という公費を扱うのですからもちろん

厳しくあるべきだとは思います。


簡単に言うと 鍼灸治療 の保険と マッサージ治療の

保険は別々で二つ同時に扱う事はできません。

患者様の病態によってどちらを使うのか選択するのですが

Aさん八十代♂の場合は関節の拘縮の緩和目的なので

主にマッサージの治療をしに行っておりました。


組合より時々適正に行われているかを確認するために

患者様のお宅へ電話で連絡が入るんだそうで、

その時Aさんの奥様(婆ちゃん)

「はい、週に二回ほど針のセンセイに診て貰っとります。」

と応えたのですね。

すると組合の頭の固(悪)い担当者が

「なに?マッサージの保険を使って鍼灸をしとるとな?」

と理解して物凄い剣幕で

「不正の疑いがある!すぐに出頭し説明せよ!」


「は?はいっ」

まだまだ(未だ)業界の事も保険の仕組みも詳しくない

ので焦って事情の確認に走りました。

何のことはない、奥様(婆ちゃん)

[鍼灸マッサージ治療院のセンセイに来てもらってるん

だから゛針のセンセイにー゛と電話で言った]だけなんです。


誤解も解けたのですが組合の担当者は

「一筆書いてもらって来い!」

と大変偉そうに頭ごなしに命じました。

若い匪石も逆らえず言うなりにしましたが

今ならーねえパンチ!

以降一切の組合活動とは距離を置いております。

当時とは当然人も換わって気にしなくてもいいはず

なんですがこの辺りは匪石の未熟な人間性。



最近は政治と同じで我らの組合もへなちょこの執行部

になりましたが、当時は根拠無き封建制度のような

世界でしたね。

ただピリっとしてて今よりは統制がとれたのも事実。

これまた政治の世界と同じ。