昨日、阿見町が会場となり「令和6年度県南町村議会議員大会」が開催され、参加しました。

 

会場は持ち回りで行われます。茨城県内の市町村は44あり、32が市、12が町村ですが、県南には阿見町、河内町、利根町及び美浦村の4町村があります。町村は主に中山間地に多くが立地し、人口減少や農林水産業などの他には雇用機会に恵まれないなど、共通の課題があり、ともに手を携えて中央に対する政策の提言などを行なって来ました。

 

さて、阿見町は25年9月に実施予定の国勢調査で、人口5万人を超えていれば市に昇格する予定です。市制施行は早くても26年4月以降に予定されています。それまでは、町村議会議員大会という貴重な機会を楽しみたいと思います。

 

講演は、弁護士で元衆議院法制局課長の太田雅幸さんで、演題は「議会におけるハラスメントの防止、防止条例立案上のポイント」でした。

 

阿見町では、前任期最後の議会(令和6年2月)で議員により「阿見町ハラスメント防止条例」が提案され、賛成多数で成立しました。私は、質疑及び討論で反対しました。

 

その後、改選された議会で、新人議員から「先輩議員からハラスメントを受けた」という訴えがあったということでした。訴えた議員及び訴えられた議員、双方から事情を聞くということが行われたようです。結局、訴えは取り下げられたということで全議員に内容が詳細に明らかにされることはありませんでした。第3者を入れた調査委員会が設置されることもなく、議長・副議長と事務局だけの閉鎖空間で終結したことは、私の質疑、反対討論で明らかになった「条例の不備、準備不足」が露呈されたということができます。

 

さて、今日の講演では、具体的事例をあげて「ハラスメント」に当たるかどうかの解説が、「パワハラの基本」「パワハラの諸相」など判例にも触れながら行われ、参考になりました。

 

ハラスメントが生じる場面は、職員と議員、議員と議員、有権者と議員、など様々な関係があります。

 

議会は執行部に対する監視機能があり、時として執行部に強い批判を行う場面があります。粘り強く、度々、何回も継続すると度を越す場合が、生じることがあります。それは、監視・批判の手段として不適当になりうる可能性があるという指摘もありました。

 

阿見町議会では、度重なる事務ミスが生じた時に、「ミスをした職員をここに連れて来て謝罪させろ」というような発言があり、驚いたことがあります。また、職員に対する過大な要求だと思われる事例もありました。管理職が連日深夜まで資料作成に追わるなどの大量の資料要求も、審査に必ず必要なものなのかどうかなどを精査した上で必要性が低いものであればハラスメントに該当する可能性があるとの指摘でした。

 

また、議員間の関係では、期数を重ねた議員が、新人や期数の若い議員に対して「議員必携」(議員全員に配布される議会運営の基本的ルール)に書いてあることを知らないで議論するようなことに対して、「もっと勉強してから発言しなさい。」ということが「ハラスメント」に該当するのかどうかということに対しては、「該当しない」と言い切っていました。阿見町議会では、無知の中で発言し議論する議員はいないことを願っている。またそれをかばったりするような議員もいないことを願っています。議員はそんなに甘い仕事ではないということ付け加えておきます。

 

最後に講師から、「今後、さまざまな言動がハラスメントと指弾される社会になる可能性がある。しかし、それはギスギスとした社会という意味ではない。「普通と違う」ことを排除したり、他人の人格を侮辱するようなことは、すべて、ハラスメントとなり得るということを意味する。このような社会において生きて行くためには、「みんな違ってみんな良い」(自分と違うことを異端視しない)という根本の考え方を取得することが重要。」というアドバイスがありました。