三角形の書き方
卒業&入学シーズン。この時期になると、ふと、思い出すお話があります。
B君は、スポーツ大好き。そして、人とワイワイするのも大好き。お年寄りにも優しくて、挨拶をかかさない人でした。そんなB君は、福祉関係の大学に進んでゆきました。
元気で優しい感じのB君ですが、B君のお母さんからポロっとこぼれた、小さい頃の予想外のお話に驚かされました。
幼稚園に入園前、プレスクール的な場所で相談員さんとお話をする行事があり、個室で親子面談をしたそうです。その時の相談員さんは、デキル女性風で、机の上にはビッシリと資料が置かれていて、それを見ながら淡々と質問を繰り返されたそうです。
お母さんはとても緊張したとのこと。B君はというと、緊張のカケラもなく興味津々で辺りを見回し、質問にも機嫌よく答えていたとのこと。ですが、途中の質問でひっかかってしまったそうです。
それは、「三角形を書いてください。」という質問だったそうです。丸は言われてすぐに書けたそうなのですが、三角形だけはどうしても書けなかったそうです。
「三角形、三角形ですよ。この本の通りに書いてみて。」
そのうち、B君は黙ってしまい、鉛筆を置いてしまったそうです。そのまま飛ばして他の質問に話は移り、すべてが終わった後、相談員さんに言われたそうです。
「このお子さんは、三角形が書けません。日程では面談は今日一日で終了ですが、もう一度予約をとってください。場合によっては、入園前に、サークルなど、たくさんのお子さんのいる中に入って協調性を養うことも必要となります。」
お母さんは、とてもショックをうけたそうです。お母さんからみると、緊張せずに面接ができてよかったと思ったのですが、相談員さんには、ガサツで協調性がない子と映ったようです。そして、お母さんから見れば、まだ入園前だし、三角形の一つや二つの書けないくらい大丈夫だと思ったのに、その相談員さんには、もうすぐ幼稚園になるのに三角形も書けない子と判断したようです。そして静かな感じのお母さんに対しても一言。
「子供同士で絵をかいたりすると、影響を受けやすいものです。もっと積極的に、たくさんの人の中に入れてあげた方がいいです。」
その時は引っ越してきたばかりで知り合いもほとんどいなかったそうで、ダメ母の刻印をおされたような打撃を受けたそうです。そして、この子の将来は大丈夫なのだろうか。きちんとやっていけるのだろうか。ものすごく悲しい気持ちになったそうです。そして、予約を取ってその場を離れたそうです。
その日から頭の中は三角形のことでいっぱいになったそうです。元々、B君は体を動かすことが大好き。うちの中より外遊びが好きな子だったので、いきなりお絵描きしなさいといってもすぐ飽きてしまい、うまくことも運ばなかったとのこと。
次回の予約の日も近づいてきた日、どうしてもはずせない急用が入ってしまい、予約を変更しなければならない事態に。「変更は可能ですが、別の先生になってしまいますよ。それでもいいですか?」・・・電話でそのように言われて、迷ったそうなのですが、しぶしぶOKを出してしまったそうです。
予約変更日が来て、親子で面談のフロアに再来。扉をあけると前回とは全く違う、とてもやわらかい雰囲気の相談員さんが、にっこりと笑って迎えてくれたそうです。
「あぁ~。三角形が書けなかったのね。これと同じ形を書いてみようか~。」
そう言われて、息子さんは紙に三角形を書いてみたのですが、きっちりとした三角形を書くことはできませんでした。
それを見てお母さんの不安は一気に溢れてしまったそうです。前回の相談員さんとの面談の内容をすべて話し、どうすればいいのか、不安な胸の内を話したそうです。
「大丈夫ですよ。まだ幼稚園に入園する前ですよ。お絵描きが苦手な子はたくさんいますよ。幼稚園のみんなで書いたら、好きに変わることもありますよ。」
その一言でお母さんは救われたような気持ちになったそうです。幼稚園までに全部できなくても大丈夫。幼稚園は好きなことを増やす場所。そう思っていいんだと。
それから、幼稚園の入園テストの面談当日。どうしても気になったので、お母さんは園長先生に思い切って打ち明けたそうです。
「うちの子は、入園前、ある相談員さんに、落ち着きがなくて三角形も書けないと言われたことがあります。大丈夫でしょうか。」
それを聞いた瞬間、園長先生は大笑いされたそうです。そして、B君に向かって一言。
「君のこと知ってるよ。いつもこの辺の田んぼの周りを元気に走り回っている子でしょ。」
「この子、この前、田んぼのトラクターに乗せてもらっていましたよ。そのおじいちゃんの膝の上で、じっとおとなしくしていましたよ。」
近くに親戚がいて、その時の様子を目撃されていたのかもしれないということでした。
それを聞いた瞬間、この園長先生は、園以外の子供のことにも、目を向けることができる方なんだと思ったそうです。
B君は、その幼稚園に入園し、同じ田んぼ周辺で遊んでいた子と同じクラスになって、元気いっぱい、楽しくすごせたそうです。もしも、入園前の行事で、予約変更で担当になった、同じ考えをもつ相談員さんに出会えていなかったら、母として心がやんでいたかもしれない。B君はルールを守ること優先のサークルに入ってうまくいかず、幼稚園が好きになれなかったかもしれない。あの相談員さんに出会えてよかったと、そして、あの園長先生に出会えてよかったと、B君のお母さんは、心からそう思ったといいます。
改めて出会いって大切だと思いました。これはB君とB君の気持ちを大切にしていたお母さんの間でのお話だけど、自らの生活の中に、モデリングとしてとりいれることもできるかもって思いました。人の気持ちを大切にしていると、小さな奇跡が起こるのかな。あの急な予約変更のように。そんな奇跡が始まると、思いやりのある人が思いやりのある人へバトンをつなげてくれるのかな。そうだったらいいな。
入園後、お母さんは、家で三角形を無理矢理練習させることは、しなかったそうです。
二回目に出会った相談員さんのことを信じて、自然の流れにまかせることにしたそうです。
いつも通りに、元気いっぱい走り回るB君。よく遊び、よく食べるB君。
そんなB君が書いた絵の中に、ある日、お母さんは三角形を見つけることになります。
それは予想外のこと。
お母さんが見つけた栄えある三角形第一号は、なんと!!!
大きな三角おむすびだったそうです。
私は思います。この三角形の中に、どれだけ多くの人たちの気持ちがむすばれているのか。
ゆっくりと見守ることで卒業できる、自然なかたちって、すごいよ!!
なんて、素敵な三角形の書き方なんだろうって。
※
卒業おめでとう!!
(※マークの付いた画像はお借りしているものです。)
花占い&オーラ診断やってみた
両方のきれいなイラストに癒されるぅ~~~~
小さな読書BOX席
こちらでは、手作りの詩のメニューをご用意しております。
どうぞ、お気軽に・・・
ただいまの主なメニュー
「すべてを近道に変える方法」
「森の生活」
etc...
今日もきてくれてありがとう・・・
ちょこっとおつまみこーなー
スピッツ
だんだん暖かくなってきました^^ 毎年、山のふもとの方からヒバリらしき鳥の声がして、
そんな時は気分爽快になれます。今年はいつ頃に耳にすることができるかな
私のスピッツの春のプレステージのルーティーンは「ヒバリのこころ」を聴いてからの
春本番に「春の歌」
スピッツの歌は季節感もたっぷりだから、年がら年中楽しめるしあわせがアル
阪神タイガース
期待の若トラ、大活躍!!
https://www.daily.co.jp/tigers/2022/03/13/0015131894.shtml
https://www.daily.co.jp/tigers/2022/03/13/0015131952.shtml
気になる音楽
今回は『恋風邪にのせて · Vaundy 』です
東京フラッシュから数年。何曲も聴いてきたけど、
いろんなタイプの曲を書きはる方だなぁって
思います。今回の曲は、ちょっと熱っぽい春風が吹いている感じ。
そんな心地よさがいいなぁって思っちゃいました。
あしたいいことありますように