ダンボールアーティストとして海外にまで活動の幅を広げる島津冬樹さんを追ったドキュメンタリーである。島津さん自身は、役割を終えたダンボールに印刷された文字や絵にアートを感じてダンボールにこだわるのだが、それが彼の思ってもみなかった展開を始めるのです。

 

        

 昨日(2月6日) 午後、コトニクラシックスペシャルを楽しむ前に、札幌エルプラザで上映された「エルプラシネマ」を観賞していました。
 「エルプラシネマ」とは、札幌エルプラザ情報センターが主催する映画会で、主として消費生活に関わる映画を題材として取り上げている映画会で、私はできるかぎり観賞するように心がけている映画会です。
 その今年度4回目の上映会が昨日午後実施され参加してきました。

 

        

 その上映会で今回取り上げられた映画が「旅するダンボール」でした。
 映画の主人公である島津冬樹さんは、美大卒業後、広告代理店大手の「電通」に就職しました。電通に入社するのは狭き門と言われていますが、島津さんが就職できたのは、大学時代からすでにダンボールにこだわっていたことから「面白いやつ」ということで採用が決まった、と同僚たちが述べています。
 しかし、島津さんは会社には馴染めなかったようで3年で退社してしまいます。

 退社してから、島津さんはますますダンボールに嵌まっていきます。
 国内はおろか、海外に出かけてまで使い終えたダンボールを収集して歩くのです。そうして集めたダンボールを島津さんはどうするのか?というと、ダンボールに印刷されているデザインの一部を切り取りダンボール製の財布や名刺入れを作成し、頒布しているのです。

 そうした中、島津さんは 国内で徳之島産のジャガイモのダンボールに描かれていたポップなキャラクターを見つけたことで、そのデザインの作者を探す旅が始まるのです。
 映画はその島津さんの旅を3年間にわたって追いかける映画でした。

 

    

 さて、映画のテーマは役割を終えたダンボールはただのゴミでしかないのですが、そのゴミになろうとしているダンボールに再び役割を与える島津さんの行動が、リサイクル、あるいはアップサイクルしているということなのです。
 しかし、島津さん自身はあまりそういうことを意識はせず、ただただアーテイストとしてダンボールに描かれているデザインに光を当てようとしている姿が印象的です。
 島津さんの肩ひじ張らずにほんわかとした生き方や人間性が、なんとも映画全体を温かくしているのが、映画を観ている者も心も温かくしてくれました。

 3R(リデュース、リユース、リサイクル)が叫ばれる現代ですが、あまり肩ひじ張らずに、島津さんのように自分の興味関心の延長線上に結果として3Rに繋がるといった考え方の方が長続きする秘訣なのかもしれません。

 なお、映画では島津さんがこだわった徳之島産のジャガイモのダンボールに描かれたデザインを考案した方を3年間追い続けた結果、ついにその方を見出すことができました。
 そのご本人が、なんと私と同性だったのです。
 私の姓は、それほど多くはない姓ですので、映画を観ていた私としては、映画の内容とはまったく関係ないのですが、なんとなく嬉しくなってしまいました。