萩尾望都さんの作品たち① | ここで、そこで、いろんなところで

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「マージナル」は、女性が生まれなくなった「不毛の地球」がテーマの萩尾望都さんの作品だ。

ランディさんのブログを読んでびっくりした。

昨日本屋に行って、萩尾望都さんの最新作「バルバラ異界」を買おうかな~、どうしようかな~と迷って、結局買わずに帰ってきたばかりだったので・・。

実は私は大の萩尾望都さんのファンなのだ。

中学生のとき、「トーマの心臓」を読んだのがきっかけで、今日までずっと作品を読み続けている。

雑誌で読むのは面倒なので、単行本になると買っているのだが、「トーマの心臓」以降の作品は大抵そろっている。

・・というわけで、彼女のことを書き出すと、果てしなくなるので、少しずつ書くことにする。

まず、彼女の作品は、おおまかにわけて、SFタッチのものと、思春期の少年少女(特に少年)たちが主人公のものに分けられる。

ランディさんが「モザイク」の中で取り上げていた「百億の昼と千億の夜」もアシュラやブッダが活躍するSFだった。(あしゅらおうのミミさん、かっこよかったですね)

SFものでも、やっぱり少年が中心のものが多いのだけれど・・・。

私が彼女の作品が好きなのは、作品が美しいこと。

絵ももちろんきれいで、細かいディテールにもこだわりが感じられる。

ミュッシャとかにも通じるような美しさだと、私は勝手に思っている。

それと、登場人物の心理描写がとても丁寧なことだ。

みんな性格がとても個性的で、画一的ではないのだ。

悪役的な人物も、どこか人の良いところがあったり、善人的でも弱さを持っていたりする。

そして、長編になっても登場人物たちの性格がぶれない。

「残酷な神が支配する」(全17巻)では、そこのところがすごく良く出ていて、人間の弱さや残酷さがすごく丁寧に暴かれていた。

どの作品も、文学小説のような漫画だ。

マージナル(全5巻)も、たくさんの個性的な人物が登場する。

すべての人物が複雑に絡み合う。

そして物語はジグソーパズルを解くように展開されていく。

とくにマージナルは、宗教の役割とか、人間の社会性とかがとてもうまく盛り込まれている。

それが物語を深くて重みのあるものにしている。

ご自身はものすごく勉強されたんだろうなあ・・と感心してしまう。

地球の汚染が進んで、遺伝因子に傷がつき、女性が生まれなくなった「母なる地球」。

バクテリアの住処となった赤い海の地球がみる夢・・。

マージナルは希望を残した形で終わる。

もう一つ、SFものの特徴は、近未来がテーマでも、みんな宇宙服ではなくて、砂漠地帯の民族衣装をまとっていることかな。

それと、長髪でかっこいい男性が多いことでしょうか。

これはすべての作品に共通していることかな。(笑)

きっと趣味なんだろうなあ・・。

マージナルは文庫にもなっているので、興味が沸かれた方はぜひ読んでみてください。

また、SFものの美しい作品としては「銀の三角」が、抒情詩のようでお勧めです。