郷水のせせらぎ鳥の声草撫でる風暮れゆく陽干し草の香るあぜ道過ぎて顔を出す小さな藁(わら)の郷の家待ち人もてなす白煙がまっすぐに茜色の空に伸びその空渡る鳥達見上げたちまちに心は懐かしい時へ回帰するふと見れば腰をかがめた両親の出迎える姿たとえようのない胸のぬくもりに目頭熱くなる切なくなる星の瞬き蛍の灯窓撫でる風月の光フクロウの鳴く夜無償の愛を枕に眠りに就こう 風香