秋桜の咲く頃に

父と見つめた窓の外

頬と頬がぶつかるくらい

可憐に咲く花に見とれてた

病院の窓の枠を

額縁に出来たなら

あの時

いつまでも父の瞳に

美しい景色を残せたのに

お父さん

ごめんね・・


私の名前を

ちゃんづけで呼んでた父

父の中では

幼いままの私

記憶の中でも

現実でも

父の目に映るのは

幼い私

きっと 永遠の眠りに就いた今でも・・


通りかかった

あの病院の庭に

あの日と同じ風景が揺れていた


お父さん

秋桜きれいだよ・・






秋桜が咲くたびに、ひも解かれる思い出の箱

秋は、私にとって、シネマ以上の映像を映し出してくれます




  風香・・