むせび泣く 夜半の雨

消えゆく命を

知ってか 知らずか

五月の空を振り絞るように・・


ほとばしる全身の汗は

今一度

炎の如く生き抜く 命の証


かっと見開いた目に

己の生き様を見据え

既に 命を繋ぐ希望をも断ち

歪む痛みに喝を入れ

浄土の道を歩むべく

天命全うする 最期の姿を

愛子(まなご)の瞳に焼きつける


尊敬念ずる魂よ

父の手を取り 通い合わせる心と心

繋ぎ合う 血と血の絆

愛の内に愛を宿し

心の内に感謝を込める


蓮の花 まだ咲かぬ夜明けの空に

迫り来る 別れの時を仰ぎ見て

安らかなる祈りの中に閉じゆく瞼


天つ風 そよぐ美空に朝陽の来光授かりし

神の御胸に命を預け

今 大輪の蓮の花 満開にして

極楽浄土の旅へ出る・・・






五月六日の早朝、天国へと旅立った父・・
最期は、いつもと変わらぬ、偉大な父の姿をこの目に焼き付けることができました。

皆さんの暖かな心、励ましは、きっと父の魂に届いていることと思います。
ご心配くださった皆様、本当にありがとうございました。




  風香・・