こんにちは
前回のブログでは、堆肥の種類について紹介しました。
そこで、植物由来のものよりも動物由来の堆肥の方が肥料養分が多いと記載しました。
今回は、動物由来の堆肥の肥効について、もう少し詳しく見ていきたいと思います!
動物性堆肥には、牛ふん、豚ぷん、鶏ふんなどがあります。
牛ふんはよく土づくりに使われており、鶏ふんは肥料として使われることが多いです。
その用途には、肥料養分の含有量と、炭素率(C/N比)が関係しています。
炭素率とは、有機物に含まれる全炭素(C)と全窒素(N)の割合のことです。
炭素率が低い、つまり窒素の含有割合が多い場合は、微生物による分解(窒素の無機化)が速く進みます。
逆に炭素率が高い場合、炭素は微生物のエサになるため、微生物の活動が活発となり、土壌の団粒化(土壌物理性の改善)が進みます。
動物性堆肥の炭素率は、おおよそ以下のとおりです。
鶏ふん堆肥 5〜6
豚ぷん堆肥 11〜12
牛ふん堆肥 15〜16
つまり炭素率は
鶏ふん堆肥 < 豚ぷん堆肥 < 牛ふん堆肥
ということになります
鶏ふんは、堆肥の中では肥効が出始めるのが早く、また肥料養分が化成肥料並みに含まれているということで、肥料的に使われます。
牛ふんは炭素率が高めなので、肥効が出始めるのは比較的ゆっくりで、土づくり効果が高いということになります。
※なお、肥効の現れ方には地温も深く関わっており、基本的に地温が高い方が肥効が出やすいです。
また、植物性の堆肥については、さらに炭素率が高くなります。
炭素率が高すぎる(30を超える)と、土壌中の窒素が失われる窒素飢餓になる恐れがあります
炭素をエサとする微生物は、活動のために窒素も必要とします。
そのため、窒素に対して炭素が多すぎると、土壌中に含まれていた窒素も微生物が取り込んでしまうのです。
有機物を腐熟、堆肥化すると基本的に炭素率は下がります
完熟の動物性堆肥では基本的に窒素飢餓の心配はありませんが、未完熟の堆肥や植物性の堆肥など炭素率が高い有機物の場合は、窒素肥料を同時に施用するなど窒素不足にならないような対策が必要です
今回は堆肥の肥効、炭素率についてまとめました。
読んでいただきありがとうございました