頑張っている人を見ると応援したくなるのはなんでだろう。
答えが明確にあるわけではありません。でも私は4年間チアリーディング部EAGLESの中で頑張る一人ひとりを見てきたからこそ、一部員である前にEAGLESを応援する大ファンでした。

 



私にはチアをしていて魂が震える瞬間がありました。
 
チームメートが
大技で自分にしか聞こえない声で絶対載せると言ったのを聞いた時、
鼻血を出しても、手が震えていても絶対諦めない姿を目の前で見た時、
言葉で表すことが難しいほどの感情に出会いました。
自分ができるようになって楽しい、嬉しいということも数多くありましたが、チアをここまで続けてきた理由ではありません。
周りが私に与えてくれたそんな息を呑むほど魂が震える瞬間にただただ魅せられ、こんな瞬間を一番近くで見ていたいと思いました。チアを続けてきたのは案外そんな純粋な気持ちだけが消えないでいたからだと思います。

 



これから先の人生で何度こんな気持ちに出会えるでしょう。
こんなにも自分の心が揺さぶられることはきっともうないはずです。
 
練習中はチアリーディングと聞いて多くの人が想像するような華やかで綺麗な顔でいられる訳でもなければ、他人に自慢できるような体裁の整った美しい思い出ばかりでもありません。
本当は汗だくで化粧は取れるし、髪の毛もボサボサで写真には残せないし、上智大生がおしとやかとは誰が言ったんだと思うほど部活中に激しくぶつかることもあります。
この4年間を美しいアルバムにすることはできません。
でもそんな撮れなかった写真の数々がチアの魅力そのものであり、引退する今何より愛おしく感じています。




 
チアリーディングというスポーツから私は多くのことを学びました。
上っ面だけの信頼関係はすぐに崩れてしまうし、努力が必ずしも報われるわけでないことを知りました。
チアリーディングは本当に難しいスポーツです。
 
だからこそ後輩に伝えておきたいことがあります。
 
下級生の頃は劣等感こそが自分を唯一伸ばすものだと信じて疑いませんでした。
他人と比べて、同期と比べて。
自分の欠点を知ることが上手くなるために必要なことだと思ってきました。
振り返っても、それが不必要であったとは思いません。
ですがそれだけでは自分のチアに自信を持つことも、好きになることもできなかったように思います。
 
だからこれからもチアを続けるみんなには、自分の欠点を探すのではなく自分がチームメートに与えてあげられるものを探してほしいと思います。
(私にはそれはユーモアでした笑)
 
なんだっていい。
技術的なことでも、そうじゃなくてもいい。
一つでもいい、一つじゃなくてもいい。
他人が変わっていくことや変わらないでいることを嘆くのではなく、自分が相手に何かを与えたいという信念を持っていてほしいと強く思います。
私はその信念を貫くことこそ、チアリーダーとしての本当の強さだと信じています。
 
そしてもう一つ。
「夢中」であってください。
努力をしようと思うと、チアというスポーツを自分が好きで始めたことも、好きで続けていることも忘れてしまい、苦痛だけを感じてしまう気がします。
本気になれるのは4年間しかないのにもったいないです。
夢中は努力を超えていく。
努力なんてしなくていい。
夢中であれ。 

 


 
最後の最後に。
 
引退公演の前日、自分のチームの同期が大怪我を負いました。
友人として彼女の人生が変わってしまうような事態になったらどうしようという恐怖を感じました。
でも、EAGLESの中には自分が傷ついても絶対に逃げず、立ち上がり、本気で立ち向かおうとする人が確かに存在します。
彼女の中に怪我で諦めるようなことじゃないと思える何かがある以上、私も最後まで本気で立ち向かいます。そしてここまで文句の一つも言わず、必死についてきてくれたチームの後輩に果たすべき責任だと思っています。
 
ゆうか。
私はあなたと一緒に16人全員で青マットに立ちます。
絶対表彰台に立ってやる。

 


 
引退ブログではありますが、表彰台に立つまでは私の中では終わりではありません。
だから全てが終わったら、思いっきり泣いて思いっきり笑ってその時に今までの4年間を私自身振り返ろうと思います。
 
4年間、本当にありがとうございました。





チアリーディング部4年 中村ちむり