深尾多恵子NYジャズ界の重鎮メディア「ホットハウス」にて全面インタビュー・訳文掲載 | NYジャズ・R&Bシンガー深尾多恵子

深尾多恵子NYジャズ界の重鎮メディア「ホットハウス」にて全面インタビュー・訳文掲載

 

アメリカ東海岸のジャズ好きは誰しもが読む、ブルーノートでもビレッジ・バンガードでもスモールズでも、ジャズクラブというジャズクラブの入り口に必ず置いてあるフリー月刊誌「ホット・ハウス・ジャズ・マガジン」2019年10月号に、深尾多恵子のインタビューが全面掲載されました!!!

 

インタビューはたしかに受けて、電話で1時間話したんですが、1ページまるごとくださるとは。

これは、かなりの快挙。

ホットハウスは、無料の月刊誌だけど、ニューヨークのジャズ界で相当に重鎮格のメディアなのです。

作る人たちはジャズ界でとても認めらた存在で、誇りをもって仕事をなさっています。

 

20年ニューヨークで結構活動すれど、名前を記事に載せてもらったことが今まで一度もなかったので、

女性ジャズ奏者のコラムにちょっと名前が載るくらいかなと思ったら(それでさえ、けっこう難しい)

1ページもらって、びっくり。

 

嬉しい!!

 

広告枠はお金で買えても、インタビューはお金で買えません。

厳しいニューヨークのジャズメディア界からの支援をありがたく思います。

1時間しか話してないのに、よくまとめ上がってて、インタビュアーのその手腕もすごい。

(全部1時間で話しちゃう私も、インタビュー慣れしてる? 笑)

 

インタビューのオンライン記事はこちら

https://www.hothousejazz.com/blog/taeko

 

2019年10月号のPDFバージョンのダウンロードはこちらから

https://www.hothousejazz.com/upload/files/October%202019.pdf

 

 

下に、全文の訳を掲載します。

 

 

 

 

 

 

Another Reason To Celebrate    By Elzy Kolb

祝福すべきもう一つの理由            著・エルジー・コルブ

 

East West

 

Music was her first love, but it took vocalist Taeko a long time to realize that it could also be a profession. Growing up in Japan, a life in the arts wasn’t on the radar as she studied accounting and law. After passing the bar, she was ready for a break; it felt like an ideal time for an extended visit to New York. Her desire to travel created quite a stir among her relatives; members of her extended family spent months trying to persuade Taeko to stick close to home and immerse herself in a business career. “I just wanted to get out of Japan for a while, I knew I would have regrets if I didn’t do it then. It was something I couldn’t let myself regret later on, and I eventually convinced my parents,” she says.

 

 

東、西

 

音楽は小さな頃から好きだったが、ボーカリストの深尾多恵子にとって、 音楽が職業にもなりうると知るには長い時間がかかった。日本で育った彼女は、学生時代は会計と法律を学び、芸術で生きる人生は念頭になかった。司法書士の資格試験を通過した後、しばらく自分の時間がほしいと思い、ニューヨークへ行くことを決意。 その決意は、家族間でかなりの騒ぎを引き起こした。彼女の家族は何ヶ月もかけて多恵子を引きとめようとした。 「しばらく日本から出たいという思いでした。もしそれをやらなければ後悔することはわかっていました。自分をあとで後悔させまいと思い、最終的に両親に納得してもらいました」と彼女は言う。

 

 

Her six-month stay in the Big Apple turned out to be a life changer. “In New York, jazz is so soulful, I could feel its power. In Japan, it is more technical.” That’s not the only difference Taeko discovered. “New York City teaches you to follow your heart and do what you love to do. Japan doesn’t teach that,” she muses. In her home country, “Following your dream in your 20s is not logical, not reasonable. Here, you can chase a dream at any age—you can be 90 and do what you want to do.”

 

ニューヨークでの6か月の滞在は、人生を変えるものだった。「ニューヨークでは、ジャズはとてもソウルフルで、力 を感じとることができました。日本のジャズは技術的なように思えました。」多恵子はほかにも違いを感じていました 。 「ニューヨークは、自分の心に素直に従い、好きなことをして生きてよいのだと教えてくれました。日本はそうとは教えてくれません。」と彼女は言う。彼女の母国では、「20代で夢を追いかけるなんて、論理的でも合理的でもありません。一方、ニューヨークでは、どんな年齢でも夢を追いかけることが許されます。90歳になってからでも、やりたいことができる。」

 

She returned to Japan, working for a year as a real estate lawyer and studying jazz. “I had a lot of feeling but no know-how,” the singer notes with a laugh. Her next move: Immersing herself in jazz studies in New York, and releasing her first album in 2007. That proved to be another turning point: “Until then, I was pulled between New York and Japan, pulled between careers. Since then I’ve had no doubts: I’ll pursue music for the rest of my life.”

 

 

日本に戻り、司法書士として1年間働きながらジャズを勉強した。 「ニューヨークで心にたくさんジャズを詰め込んで日本に帰りましたが、技術は習得しないままに帰ってしまったんです」と笑いとばす。それからは ニューヨークでジャズの勉強に没頭、そして2007年に1作目のアルバムをリリース。 それがまた人生の転機となった。「それまで、ニューヨークと日本、法律と音楽の狭間で悩んでいましたが、それ以来、 音楽を一生やると決意しました。」

 

 

This month, Taeko celebrates the release of her fourth recording, Contemplation (Flat Nine). In honor of the centennial of one of her jazz heroes, Art Blakey, she recorded “Ugetsu.” In an introduction to the well-regarded Jazz Messengers’ live recording of the piece, Blakey famously declares that ugetsu is Japanese for “fantasy.” Taeko paraphrases his words on her own version of the Cedar Walton composition. However, the famed drummer had his facts wrong: Ugetsu actually means “rainy moons or rainy months,” according to the vocalist. “I’m such a jazz fan and fan of Art Blakey, so I take it as he did,” she says.

 

Since no lyrics previously existed for the song, Taeko repurposed the words of Earth, Wind & Fire’s hit tune “Fantasy” for her version.

 

 

今月、多恵子は4回目のレコーディング、Contemplation(Flat Nine)の発売を祝う。彼女の尊敬するジャズの巨匠の一人 アート・ブレイキーの生誕100周年を記念して、彼女は「ウゲツ」を録音した。有名なこのライブ録音で、アート・ブレイキーは「ウゲツとは日本語でファンタジーという意味です」とMCで話している。多恵子は、シーダー・ウォルトン作のこの曲を、アート・ブレイキーの言葉通りにとった。ただ、アートの知識には実は間違いがあった。多恵子によれば、ウゲツとは 「雨の月」を意味する。 「私はジャズファンであり、アート・ブレイキーのファンなので、彼の言葉その通りに 受け入れることにしました。」と彼女は言う。

 

歌詞が存在しなかったため、多恵子はアース・ウィンド・アンド・ファイヤー のヒット曲「ファンタジー」の歌詞をあてはめたところ、うまくはまった。

 

 

Contemplation also comprises jazz standards such as the McCoy Tyner-penned title track, with lyrics by Doug Carn, one of Taeko’s favorite lyricists; Benny Golson’s “I Remember Clifford” and Bill Evans’ “Waltz for Debbie,” are included, as well as material by Chick Corea, Mal Waldron and others. There are also some surprises, such as the Stylistics’ “Betcha By Golly, Wow.”

 

“I didn’t grow up with these songs, but I grew as a musician with them and feel attached to them,” Taeko explains. “People Make the World Go Round, by the Stylistics, is the best album ever!”

 

Contemplationには、マッコイ・タイナーが書いた表題曲などのジャズスタンダード も含まれる。 ベニー・ゴルソンの「アイ・リメンバー・クリフォード」、ビル・エバンスの 「ワルツ・フォー・デビー」、およびチック・コリア、マル・ウォルドロンなど。スタイリスティックスの「ベチャ・バイ・ゴーリー・ワウ」といったサプライズもある。

 

「これらを聴いて育ったわけではないけれど 、これらを聴いて ミュージシャンとして成長してきたので、 愛着があるんです 」と、多恵子は説明する。 「ピープル・メイク・ザ・ワールド・ゴー・ラウンドがはいったザ・スタイリスティックスのあのアルバムは最高ですね!」

 

Join Taeko at Birdland Oct. 10, the day before the 100th anniversary of Blakey’s birth, as she celebrates the release of Contemplation with pianist Theo Hill, bassist Alex Blake and drummer Victor Jones. The event is going to mark the singer’s debut performance on koto, the traditional 13-string Japanese harp. About 18 months ago, she started studying the instrument with a teacher in Queens, Taeko’s first koto lessons since she was about 6 years old. She plays her mother’s instrument. “I brought it to New York last year, I wanted to incorporate something Japanese into my music and the koto feels natural,” she explains. “I always record one Japanese song on each album, to bring something from my own country to the table. It’s a nice balance between Western music and my heritage. I have no interest in playing world music, but I’m looking forward to how I’ll travel through my music journey and what I’ll produce in the future.”

 

 

来る10月10日 、すなわちアート・ ブレイキーの生誕100周年の前日、多恵子のContemplation発売記念ライブが「バードランドジャズクラブ」にてピアニストのテオ・ヒル、ベーシストのアレックス・ブレイク、ドラマーのビクター・ジョーンズをフィーチャーして行われる。日本の伝統的な13絃のハープである箏を多恵子自身が初めてライブで披露する予定。 6歳の頃に習っていた箏を約1年半前から再開、クイーンズの師匠のところに通い始めた。楽器は多恵子の母のもの。 「去年ニューヨークに持ってきました。日本のなにかを取り入れたくて、自然と箏に辿りつきました 」と語る。 「日本からのなにかを提示したくて、いつも各アルバムに日本の歌を1曲録音しています。西洋の音楽と私の国の伝統の絶妙なバランスを見つけたいと思っています。ワールドミュージックを演奏したいわけでなく、ジャズに主軸を置きつつ、これから音楽的に何に取り組んでどんなものを作っていくのか、自分の旅の展開を楽しみにしています。」

 

 

 

実は、お箏をライブで弾くというのは余談で話しただけで、

「不安だから世間には発表してないの」って言ったら

「大丈夫、絶対に書かないわ!」って言ってはったのに

エルジーさん、めっちゃ書き込んでて、

私は記事を読んでことさら仰天したのでした・・・ガーン

 

 

 ジャズシンガー

 深尾多恵子