ガザ市街爆撃四日目
・・・爆撃は続き、もう、今日までで375人が死んだ。
昨夜は、住んでいる街でいつもお世話になっているバーに今年最後のご挨拶。9時にお店で落ち合ってくれた方に、楽しい会なのに、僕はどうしてもこの現実と今こうして楽しく飲んでいることの矛盾を言語化しないわけにいかず、最初にそんなことを、話してしまう。マスターと三人でお疲れ様、と言い合う・・。
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米国大統領のブッシュと、そいつを二期にわたって選んでしまった民度のきわめて低い米国国民の原因で、世界は崩壊の危機にある。
★平和1:今まさに、20世紀最悪の状態に中東は近づきつつある。ブッシュのあまりに金と権力に偏向した政策のせいでイスラエルはガザを絶滅の方向においやっている。
★平和2:殺されたら復讐すればいい、敵だと思った国は事前に滅ぼせばいい、という恐ろしい先制攻撃論(ブッシュ・ドクトリン)で、憎しみは憎しみの連鎖を生み、テロを全世界にバラマク結果となった。
★経済:共和党の金持ち優遇策と石油利権の息子であるブッシュとチェイニーの経済放置で、アメリカ初の大恐慌が生まれた。もう、株式で長期の投資が成立すると考える者はいないだろう。これは、実は年金の運営の危機となって、私たち自身の生活も、崩壊の危機に追いやっている。
しかしだ、その共和党的なグローバル資本主義を唱えてきた、有名な経済学者の中谷巌が、「懺悔の書」を出した。
普通、エコノミストという動物は、自分の責任を取らない。
「zai」という投資雑誌なんてひどくて、11月号ではもうこれ以上株は下がらないだろうと巻頭で自信満々で言っておきながら、その直後に暴落したら、12月号では、今が安くて買い時!なんていっている。
著名なエコノミストもほぼ全員ひどい。ITバブルの時に、「エコノミストは信用できるか」(文春新書)という採点本が出たが、ひどいものである。彼らは金持ちたちの都合のよい発言をして、年収を貰っている。酷い。
長期投資で国民皆さんの採算を増やします、結果が全てです、といっていた「さわかみ投信」は、10年目の今年、元本割れしたら、いきなり精神論に走り(特に11/28の代表のレポート参照)、パフォーマンスが結局日経平均に連動しているだけという事態への説明も無い。一番多いポートフォリオが、日本最悪の雇用実体のトヨタ自動車なんだから当たり前だ。
そんな中で、自分の発言の責任を、初めて語るエコノミストが出た。
本自体は平易だ。1時間で210ページまで速読したくらいだ。論理性は弱いので、すぐに政策に反映することは無いだろう。しかし、はじめの一歩が大事なのだ。
日本のよいことろは、苦労は皆で分かち合うことだ。まずバラマキやめて雇用維持にお金かけて、企業はワークシェアリングを義務化して、生活が崩壊する家族が出るのを社会的責任として防止してほしい。僕も、そうするなら年収へってもよい。そう思うくらいだ。・・・まわりで、他人事ではないから、そう、感じているのかもしれない。
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もう一冊は、ジャック・デリダの「精神について」。これは、存在論を構築するために、存在という事象にまとわりつくざまざまな普遍的ではない要素を削除していったハイデガーにおける、その、彼が普遍的ではないと規定した要素のひとつである"精神"という概念について考察したもの。そーとー昔に買ったのだけど、そーとー難解(一時間かけて20ページ読解するのがやっと)なのだが、長い時にわたる読書の経験を経て、やっと自然に読めるようになったので、三度目の読み直しに入った。
お休みの間、もうすぐ地味な生活に入るから、そうしたら、読書三昧の日々に、はいろう。
