さくら
先週の日曜は、お誘いを頂き、今をときめく長有名醸造家の、あの、
ルネ・ジャン・ダールさんの来日を受けてのテイスティング・セミナーと
パーティーでした。
セミナーは完全にセミナーなので、ワインはちょっとだけのんでバケツに
捨てる形式です。食事は当然無しで集中して150分間、9種類の素晴らしい
ローヌを楽しませてもらいました!行ってよかった。本当に楽しかった。
15人の参加者のうち、私ともうひとりの方を除き、皆さんプロでした。
お酒屋さんやレストランのシェフたちです。
僕は、素人の特権で、言いたい放題の質問を、ダールさんにしまくりました
(僕は、外国語は英語しか出来ないので、もちろんフランス語は通訳して
もらいましたが)。素晴らしい答えももらえた。一部の例を下記に。
Q.サンペレのルーサンヌは、やや泡のマルサンヌよりグラが強いようですね。
また、全般にワインの涙がとっても力強いですね!
A.アルコールはあげるようにはしていない。しかし出来の違いで少し強め
にはなっているだろう。ワインの涙は、これは、石灰質土壌でとてもミネラル
分が強い土地なので、さわやかな白でも、こうしてしっかりとグラが
見えるのです。
Q.クロース・エルミタージュとエルミタージュは予想以上に違いが明確で
それぞれに素晴らしかったのですが、ルネさんはこの2つのテロワールの
違いをどう認識するか。ミクロクリマの違いでしょうか。
A.本当のところは良くはわかりません。傾斜も、日光の量もほとんど変わら
ないからです。土壌も大きくは違いません。しかし、作っている私自身の
経験から言えば、エルミタージュの方が、より深く根を張るという点が
あるようです。
Q.サン・ジョセフでとても驚いた。まるで、舌を包み込むような、料理のジューを
口いっぱいに楽しんでいるかのようです。
A.これは、うまみ成分のことを言われているのですね!そうなんです。私は
日本に来るようになって日本の方のこのアミノ酸由来のうまみ成分をしって
興味深く思いました。おそらく、私のワインに、それが感じられるのではないで
しょうか。それゆえに、私のワインは和食にも会います。京都で和食の宴に
あわせたことがありますが、本当に良く合うのです。
Q.シラーといえばこれまで私は、オージーのオーバーオーキーな、パワー
優先のシラーや、とにかく濃いローヌのシラーのイメージばかりでした。
しかしこのシラーはまったく違います。なんとやさしいのでしょうか。
A.これには、フランスの法体系の問題も有ります。以前、価格は、アルコールの
強さで決められていたのです。しかし私は本来のシラーの姿をずっと
追い求めてきた。本来シラーはとても"フェミニン"なものなのです。
こんな質問ばっかりしたからか、後半で参加者紹介をしてもらった際には、
私に関しては、「ええと・・・一般の方っていうのはフランス語ではどういいま
しょう」とシェフがいうと、ルネさん自身が、「ワインオタク?」とおっしゃって、
一同がどっと爆笑という一幕もあった。僕はオタクではないが、盛り上がって
とっても楽しかった。
目の前に座られた方はたまたまホテルのソムリエールだったので、実際に
飲みながらも意見を伺うことが出来たのも収穫であった。
夜の部はお気楽な立食パーティー。輸入業者の若手の方や、本部長さんとも、
色々とお話が出来たし、本当に素敵な時間でしたね。
◇ ◇ ◇
・・・出かけるとき、強い雨が降っていた。タクシーで
直接会場に行くために乗った。ふと、車内のAMラジオから、
ケツメイシの
「さくら」が
流れてきた。
なんてタイミングが悪いんだ。
雨が降っていて良かった。どうせ、瞳にも雨が降ってしまい、外の風景なんて
見れなかったんだから。
このあと、楽しい会があって、本当に良かった。
さて、今夜の自炊の野菜を買いに、出かけよう。
