81 メッサーシュミット Bf-109 ~WWⅡの翼・第3回~

PHOTO by FRIENDS

 

一式戦「隼」、二式戦「鍾馗」ときたならば

メッサーシュミットBf-109を語らねばなるまいて

 

えぇ~? 三式戦「飛燕」じゃないのとブーたれているアナタ

 

飛燕が憧れたダイムラーベンツ製エンジンを搭載

スーパーエースを輩出しながら

アップデートにより

最後まで連合軍の戦闘機とほぼ互角に戦い抜いた

このドイツ戦闘機は空前絶後なのよ❤

 

かつてアメリカの博物館コレクションが来日展示されたとき

飛行機好きの友人が行って送ってくれた写真から

Bf-109Fかなあ? 調べりゃわかるけど しらべないの♪

 

BfとMe

ウィリー・メッサーシュミット教授

仲間たちと航空機作ってた

州の意向でバイエルン航空機製造と吸収合併

そこで製造した制作ナンバー109

だからBf-109

 

ところで教授は逆玉

資産家のお嬢様とご結婚

奥様のご実家の援助によりブイブイいわし経営トップへ

遂に社名もメッサーシュミット社

まだ続々生産中だった109は

Me-109と書かれたりするようにもなる

 

夏の猫たち リリイはラドドールのお嬢さま

 

どちらも間違いじゃないけれど

近年は、開発時のメーカー名を尊重してBfが主流

 

軽量小型

メッサーシュミット教授の手や口がどこまで入っているのか

よくはわからないけどコンセプトは小型軽量

この辺は日本の96式艦戦や97式戦闘機と似ている

 

温厚というかポヤ~んとしたノルウェージャン タフィ

 

違ったのは高速

高速で何ができるのか?

そこが戦闘機の未来を分けた分水嶺

109は小型軽量でも重戦闘機なのだ

 

液冷倒立V型12気筒エンジン

試作機はエンジンが間に合わず

なんとイギリス製ケストレル・エンジンを搭載

それからドイツ・ユンカース製ユモエンジン

最後に本命ダイムラーベンツの液冷エンジンを搭載している

 

おてんばノルのジュリ

 

精細緻密なエンジン

日本では遂に使いこなせなかった

ドイツでは普通に大量生産され

アップデートには向かないといわれながrも

600馬力から最後は1700馬力

時速500キロ代から750キロにまでに加速

109を支えた

 

主に高校時代に書いてた架空戦闘機側面図から

Bf-109もどき

脚が欠点と言われてたから零戦風になってる

 

零戦

機体が脆弱すぎて

最後まで1000馬力、600キロを超えられなかった

 

同じく架空戦闘機

双垂直尾翼はBf-110

フォッケウルフやマスタングに彗星も入ってないか

 

航続距離

航続力の短さが109の欠点と言われている

増槽を付けのんびり飛んで最大3000キロという零戦

600キロはいかにも短いような気がします

しかし不平不満はそれほど聞こえてきません

 

大陸軍国ドイツ

地上軍と密接に連携して戦う制空戦闘機

戦場は直近の殴り合いが前提だったのです

 

ホンモノっぽいけど、オレオレ詐欺系

それらしく型式が記入されてるけどこんなのは実在しないから

みなさまもヘンタイ(詐欺師)には気をつけてね

 

例外がバトル・オブ・ブリテン 

勝ちすぎた勢いで英国侵攻作戦

本来、爆撃機の護衛は双発戦闘機Bf-110の役割でした

 

偽物Bf-110風

バトル・オブ・ブリテンでは主役を張るつもりだったけど

スピットファイアのカモになった

 

双発戦闘機

各国で熱病のように流行った機体

2倍のエンジン馬力でも

空気抵抗や重量増あるいはアレヤコレヤそれ

速度も航続力も思ったほどではなく

そして致命的欠点が明らかになる

空戦では単発戦闘機に敵わない

 

メッサーシュミットの永遠のライバル スーパーマリン スピットファイア

倒立エンジンじゃないけど脚が短い

 

110がスピットファイアにまるで対抗できず

やむなく投入された109

長距離護衛戦闘は場違いの戦場なのだ

 

同じくバトル・オブ・ブリテンで対抗したハリケーンのもどき

旧式だったけど組織戦闘で英国を救うヒーローになった

 

それにしても短い航続力

故・宮田豊昭さんは巡航速度の速さと見抜いた

零戦は140から180ノットときには120ノット以下

109は200ノット前後

ヨーロッパでは、戦場をのんびり飛んでたら

命がいくつあっても足りなかった

 

5枚プロペラだからかなり後期型だな

ドイツは面積を増やしたりして4枚ペラが多い

 

洋上を飛び、増槽の燃料を使い切った頃

戦場に到達する零戦とはまるで違う

戦闘になれば捨てなければならない増槽

109は、しばらく装備する気配すらなかった

 

液冷エンジンは胴体を細くできることがわかるでしょ

 

 

109は主脚を胴体のエンジンフレームにマウントした

とにかく主翼を薄く小さくするため

倒立エンジンのため脚は長くなり脚間隔は短かったから

慣れないとすぐ折れたり転覆し

修理工場は大わらわになったといいいます

 

当時のワタクシは

とにかく外側引っ込み脚がいやだったのか徹底して脚を代えてるな

フォッケウルフ系にしてるし

主翼前縁に装備してる前縁スラットが低速での安定性に寄与

水平尾翼の支柱は古めかしいという過度期のアンバランス

 

それでもテストした日本人は「鍾馗」よりも楽

秘密は前縁スラット

高迎角でも主翼に空気を流し失速を防止する

どちらかといえば技術重視

パイロット・フレンドリーではないと批判される

メッサーシュミット教授でも

誰が戦うかを知っていた 

でも脚は長過ぎたのね

 

Bf-109の味方側ライバルとなったフォッケウルフFw-190の架空

BMWの空冷エンジンを搭載してた

 

兵士をモノ以下に扱い

お上が求めるモノだけを納める大企業

人を見ないこの国の権力者たちの構図は

永きにわたり染み付いた軍人(武家)政治の宿痾だ

 

これはメッサーシュミットもどきとゆ~よりは

イタリア・フィアット風な架空戦闘機

 

エース

エーリッヒ・ハルトマンとゲルトルート・バルクホルンは

独ソ戦を中心に109で戦い、最終的に300機以上を撃墜

空前絶後のエースとなった

組織的一撃離脱戦法のため信頼性は高いという

有人戦闘機でこの記録をうち破るには

おそらく、スターウォーズにでもならなきゃムリ

 

 

日本にも

自称300機以上を撃墜したパイロットが2人くらいいるけれど

相手の損害を遥かに上回る大戦果!?になっちゃう

 

朝鮮戦争

Bf-109を受け継いだミグ-15にびっくらこいたけど

かろうじて対抗できたP-51マスタングの末裔

F-86セイバー戦闘機

 

対空無線が貧弱で

いったん飛び上がったらほとんど単機戦闘

群れから外れた敵機を10機が入れ替わり襲いかかり

それぞれ撃墜確実と報告すれば

たちまち10機撃墜という戦果が出来上がる

 

 

ハンス=ヨアヒム・ヴァルター・ルドルフ・ジークフリート・マルセイユ

(Hans-Joachim "Jochen" Walter Rudolf Siegfried Marseille)  なげ~よ!

このイケメン(プレイボーイ)中尉はアフリカ戦線において

米英軍相手に158機を撃墜

「アフリカの星」とよばれアイドルになった

 

ミグショックに陥った米軍パイロットの意見を参考に

小型軽量高速の究極 

F-104 スターファイター

 

一撃離脱に徹したハルトマン

他のスーパーエースたちが

相手にぶつかるんじゃないかと言うくらいに接近

射撃したのにくらべ

遠くから相手の予測位置へ向けて射撃したり

空戦機動中(旋回中)射撃など

モーツァルト的天才センスをもっていたらしい

しかもモーツァルト並に若くして亡くなってしまい伝説となった

 

最後の有人戦闘機と喧伝されたけど

行き過ぎたの♪

ぼよよ~んボヨヨ~ン♫プリンプリン♬が大好きなUSAでは不人気

本家ドイツでは低高度高速侵攻核攻撃機に変身したから

事故が多く

定番の未亡人製造機なる異名を付けられちゃった

 

一撃離脱

なんとなくスクーターやチャリで後ろから接近

引ったくって一目散で逃げる

日本では格闘戦をしない卑怯な戦法のように云われる

 

日本のT-2/F-1も流れを組むのかなあ??

でもひ弱に作っちゃったから実戦には不向き

 

実態は

高速・広域・組織的空中戦

従来の格闘戦が土俵あるいはリング上での1対1の戦いなら

サッカー、ラグビーあるはアメリカンフットボールのようなもの

レーダーと無線機

飛行機の高速化によって生み出された新戦術

Bf-109はその嚆矢となった戦闘機なのだ

 

小型軽量ながら

多用途任務に使われるアメリカンなF-16

 

Bf-109は、日本の96艦戦や97式戦闘機時代に開発された

まるで方向性の異なる小型軽量高速重戦闘機

競争試作され改良されたハインケルの方が

能力的には優れていたとハインケル氏は吼えていますが

生産性・整備性、シンプルな機動性は圧倒的に109

 

ありとあらゆる任務に対応する

スーパーマンが大好きなUSA

 

必要な場所に、必要なモノを、必要な数揃える

未来予測において

Bf-109は傑作戦闘機と言えるでしょう

 

それでも

バトル・オブ・ブリテンという不本意な戦場

スピットファイアやハリケーンが英雄になり

メッサーシュミットが最強の悪役になってしまったのは

国民の疲弊と不満につけこまれ

独裁軍事政権を選んでしまった過ち故のことでしょう

 

ナポレオンやスターリンに毛沢東、あるいはTランプやAべ??

愚かな権力者は、国をより疲弊させてしまうのです

 

けして扱いやすい戦闘機ではありません

高速での舵の効きには無頓着

平凡なパイロットには扱いにくい機体です

でも鋭い利点がありました

 

太平洋戦争終盤の日本

戦えた戦闘機が「鍾馗」と「五式戦」だったと言われています

ともにBf-109の影響を受けた重戦闘機でした

戦闘機の未来は高速重戦闘機が正解だったのです

 

小型軽量高速

現代にまで通用する戦闘機の定型を確立

世界で最もたくさん製造され

最も多くの敵機を撃墜した

空前絶後の戦闘機

 

ジェット機時代にも通用した小型軽量高速

Bf-109は冷徹に未来を予測し切り拓いた

歴史に残る非情な先駆者と云えるのではないでしょうか?