朝起きると彼女を起こさないようにそっと抜け出し

会社に行く支度を始める

 

会社に出社すると打合せが立て続けにはいっている

良い話ばかりではないがトントンとこなしていく

 

私は2つの会社で3つの事業を展開し、また1つ新しい

事業を仲間と立ち上げたばかりだ

仕事は忙しいが充実している

 

朝飯と昼飯は食べない、長寿ホルモンと若返り遺伝子の為に

 

接待も多いが経営者の仲間との会合も多い

 

しかし平日の2日間と土曜日は自宅で食事を取る様にしている

 

高校生と大学生の息子がいることもあるが母親がかなりきつく

彼らに当たる

2人とも受験に失敗し勉強もせずゲームばかりしているせいもある

 

母親との喧嘩が絶えない、もちろん私も含めてだが

 

私が仕事にかまけて家のことをほったらかしにしていたことも

一つの要因であると思う

 

夫婦喧嘩の時は必ずそれをぶつけてくる

 

私と息子たちは彼女の攻撃的な性格に辟易している

息子は言う 母さんはいつも怒る材料を探していると

 

私はもう還暦を迎える いわば初老の仲間入りである

 

怒鳴りあうこともなく お互いの心を傷つけ合うこともなく

出来れば ゆっくりした時間の中で穏やかに暮らしたいものだ

 

現実逃避かもしれない いや 現実逃避でしかない

 

優しくしてくれる女性たちに囲まれて

私は自由に暮らしている

こんな幸せなことはないのだが

 

また彼女たちにもいくつかのウソをついている

優しくしてくれる女性たちには申し訳ないが

許されることではない

 

それに 息子たちよ すまない

君たちを置いて現実逃避しているお父さんを

許してくれ

 

会社人間みたいに仕事がすべてなんて言ってはいるが

実はそうでもないんだ

 

でも君たちのことは本当に大事に思っている

ちゃんと学費も払って、何不自由ない生活も送れている

たまにお母さんに内緒でpaypayでお小遣い送金してるだろ

 

でも父親の威厳はないよな

 

君たちが本当に欲しいのは強い父親の後姿

 

今ここにいる優柔不断で現実逃避している様な

男の後姿では決してないと思う