YAGP2019日本予選 の前に、実はDance Europe から取材を受けていた話は以前お伝えしましたが

「英語なので、読めません」

という方のために、日本語で掲載します。



日本は国立バレエ学校が存在せず、メソッドも一貫していないこともあり、ポアントワークを始める基準は教師により異なる。


昔は6歳からポアントワークを始めてプロとして踊る者もいたので、早期のポアントワークに警鐘を鳴らす教師も少なかった。


日本の場合、バレエは「趣味の習い事」という傾向があるので、ある程度の年齢に達したらバレエを辞めてしまう生徒が多い。従って親が教師に「いずれ辞めるのだから、早くポアントワークをスタートさせて欲しい」と依頼をしたり、早期のポアントワークを教師が反対した場合、親が早くポアントワークを始めるスタジオに移籍させてしまう問題が生じている。教師も生徒をスタジオに確保したい故にポアントを許可してしまうケースが後を絶たない。


しかし2017年に大阪で開催されたYAGP日本予選の際、審査員が参加者や教師を前に「11歳までは履かなくても良い」という意見を述べたことにより、日本も指導者たちの意識が変わりつつある。


「バレエ教育」の一定水準が国で定められているわけではない日本において、どこまで早期ポアント教育が危険であるか、バレエ教師たちが統一した考えを持てるかどうか、が今後の鍵となるだろう。


私個人の考えとすれば、国内外で開催されるバレエコンクールの参加要項も「11歳まではポアントを履くべきではない」もしくは「ポアントワークを理解していない参加者は、バレエシューズでエントリーも可能」という明確な基準をコンクール主催側が提案することにより、バレエを習わせている親や指導者たちが納得するのではないか、と考える。


早期ポアントワークに警鐘を鳴らしていたとしても、結局上位入賞者がポアントを履いていることにより、コンクール側の基準が曖昧になっていることが、現在の最大の問題であり、長年コンクール審査で問題視されていなかったことを改善することにも時間がかかると推測する。




ポアント問題…

非常にデリケートですし、一筋縄ではいかないと思います。


いままで


「小さな頃からポアントを履いてヴァリエーションを踊ってきた」


イコール


「全員が怪我をしてプロにはなれなかった」


という場合でしたら、きっと私が生まれる以前からポアントを早期に履かせることはなかったとおもいます。


しかし、記事にも書いたとおり


「昔は6歳からポアントワークを始めてプロとして踊る者もいた」


という歴史があるために、なかなか改善には至らなかったのが現状だと思います。


コンクールにしても同じです。


小さな頃からヴァリエーションを踊らせる必要は…本来ならないわけです。


しかし親御さんが


「中学生でバレエを辞めさせますから、いますぐポアントでヴァリエーションをうちの娘に踊らせて下さい!」


と教師にお願いして、教師が却下出来るか?といえば…ポリシーのある教師でさえ


「それは無理です!」


と言えるだけの説得力が、今までなかったと思うのです。


学年や年齢で何かを決めるのも、ケースバイケースだと思います。


11歳になりました。トウシューズ履けます…


ではないです。


週何回レッスンしてますか?

身長は?

筋肉は?

集中力は?


色々な条件をクリアすべきですから、年齢が達していればOK、みたいな単純なものではないです。


昔は


「運動中にお水なんか飲むな!」

「コーヒー飲んだら病気になる!」


と言われてた時代。いまなら笑われます!


バレエの解剖学ですら


「ふくらはぎ、大腿四頭筋は、ゆるゆるにして、何も使うな!」


という数十年前の解剖学で言われていることを今、そのように指導したら現在の解剖学のエキスパートに笑われてしまうのと同じ。


ですから


「これは正しい!」

「これは間違っている!」


という価値観は、時代により移り変わるはずです。


子供たちが成長することが大事であり、その方法を上からの圧力で


「こうすべきである!」


と制限するのではなく、臨機応変にその子、その子に合った指導法や、コンクールのエントリー方法(もちろん、アンチコンクールならば、エントリーしなくても全く問題なし!)を選択することが大事だと思います。


左右木健一